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藤田&小川が一騎打ち。
同世代の頂点は一人でいい。
~猪木イズムの同期、大晦日激突へ~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2012/11/19 06:00

1年2カ月ぶりに来場した小川(右)が乱入し、リング上で藤田(左)と一触即発ムードとなった。

1年2カ月ぶりに来場した小川(右)が乱入し、リング上で藤田(左)と一触即発ムードとなった。

 久し振りに見たアントニオ猪木率いるIGFの試合は意外と新鮮で、思わぬセメント・マッチがあって結構楽しめた。10月16日、東京・水道橋の東京ドームシティホールで行なわれた「GENOME23」のことである。

 メーンはIGF王者・藤田和之VS.澤田敦士のノンタイトル戦。藤田が小川直也の弟子・澤田を1分19秒、右ストレート一発で撲殺する。直後、藤田はマイクを握るなり、「オイ、小川! 会場に来ているのはわかっているんだ。出てこい!」と絶叫。ざわめく観客席に緊張感が走った。

 おもむろに現れたスーツ姿の“暴走王”小川がリングに上がると、ロープを挟んで二人が睨み合う。そして藤田が「お前がダメだから、俺が(IGFに)呼ばれたんだよ。大晦日にケリをつけよう」と痛烈に批判。これで、大晦日に行なわれるIGF猪木祭り(両国国技館)での藤田VS.小川の初対決が決定的となった。

 そもそも新日本出身の2人はほぼ同期だ。'97年4月、“柔道王”小川は東京ドームで橋本真也に完勝し、華々しいデビューを飾っている。藤田が小川にジェラシーを感じない筈がない。シングル対決を迫った所以はこのへんにある。

総合格闘技DREAMとの興行戦を、業界全体のカンフル剤とできるか。

 帰り際に小川は、「あいつとは同期だけど、同窓会をやる気などない。十数年生き残っている者同士、この世界のトップは一人でいい」というセリフを吐いてエレベーターへ消えて行った。

 レスリングの藤田か、柔道の小川か。古くて新しい興味ある対立構造だ。御大猪木は、このカードについて明言を避けている。メーンになるかどうかもいまなお流動的だ。団体内のトップ争いに、どれだけのファンが乗っかってくるのか、業界関係者も注目する。

 時期を同じくして総合格闘技DREAMの大晦日興行「DREAM.18~大晦日 SPECIAL 2012~」
(さいたまスーパーアリーナ)の開催が発表になった。立ち技格闘技団体グローリーがDREAMブランドの権利を買い取り、興行再開に漕ぎつけたもの。

 DREAM興行の内容はどうあれ、IGFプロレスと大晦日のガチンコ興行戦だ。どちらが話題を呼ぶか、人気カード次第である。プロレスVS.格闘技の対決が、業界全体のカンフル剤になってほしいイベントだ。

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