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不完全燃焼でシーズン終了の斎藤隆。
満身創痍の42歳、アメリカで何を思う。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2012/10/08 08:01

不完全燃焼でシーズン終了の斎藤隆。満身創痍の42歳、アメリカで何を思う。<Number Web> photograph by Getty Images

16試合に登板し、防御率6.75、失点14、自責点9と厳しいシーズンとなった斎藤隆。ダイヤモンドバックスとは1年契約のため、来シーズン以降のことは現在のところ未定である。

 ダイヤモンドバックスの斎藤隆投手が2012年シーズンを戦い終えた。

 ドジャースとマイナー契約を結び、ゼロからのメジャー挑戦となった2006年から早くも7年が経過。今シーズン終了時点で42歳のナ・リーグ最年長投手となった斎藤にとって、決して満足できるシーズンではなかったはずだ。

 開幕直前に右脚ふくらはぎを痛め故障者リスト入り。その後、リハビリを続けながらもマイナーリーグの登板でふくらはぎ痛を再発させ、さらに同じくマイナーでの打撃登板中に今度は右腕付け根を負傷。結局、メジャーに復帰できたのはシーズン後半戦の7月21日だった。

 そしてメジャー復帰後もわずか10試合に登板しただけで、今度は登板中に左脚ハムストリング(太もも裏の筋)を痛め、今シーズン2度目の故障者リスト入りを余儀なくされるという不運に見舞われた。

「斎藤は6回以降でいろいろなシチュエーションで起用できる投手。彼の豊かな経験が加わったことはブルペンをさらに多様化してくれる」

 メジャーに復帰したばかりの頃、カーク・ギブソン監督は斎藤に対し最大限の信頼を寄せ、ここ数年、斎藤が務めてきた勝ち試合のつなぎ役を任せた。

 しかし、2度目の復帰後はほぼプレーオフ争いから脱落したチーム事情もあり、チームの起用方針は若手中心にシフト。斎藤の登板機会は激減し、最後は登板機会すら読めない状況だった。

プレーオフ進出を果たせずに終わった2012シーズン。

 今シーズンわずか16試合の登板はもちろん自己最低。

 やはり故障が重なり、約3カ月をリハビリに費やした昨シーズンでも30試合に登板した。しかも今シーズンは2007年のドジャース在籍時以来のプレーオフへの進出なし。やはり斎藤の中でも例年とは違うシーズンの終わり方に多少の違和感を抱いているようだ。

「ここ数年、毎年プレーオフに出ている中で、(今シーズンは)レギュラーシーズンで終わってしまうというのはやはり残念ですね。毎年精一杯やっているので、やり尽くした感がないわけではないですし、もちろんあります。でも上手く言葉で説明できないですけど、例年とは違うような気がしますね」

 斎藤の言葉が、何となく歯切れが悪いのも頷ける。

【次ページ】 捕手との意思疎通もままならず得意球を生かせなかった。

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