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青木宣親も最後まで戦えた、
新プレーオフ制度の効果。
~白熱呼んだワイルドカード2枠~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2012/10/11 06:00

9月には12試合連続ヒットを記録するなど、チームの勝率5割超えの原動力となった青木。

9月には12試合連続ヒットを記録するなど、チームの勝率5割超えの原動力となった青木。

 例年になく、戦いは白熱した。今季のプレーオフ進出争いは両リーグとも最後の最後まで波乱含みで、予断を許さない状況が続くこととなった。特にナ・リーグでは、ブルワーズやフィリーズが驚異的な巻き返しを見せ、上位球団を脅かした。というのも、今季からワイルドカード枠が2チームに増え、その両チームによる「1ゲームプレーオフ」が新設されたことで、より多くのチームに可能性が残されるようになったからに他ならない。

 159試合目までプレーオフ進出の可能性を残したブルワーズの追い上げは見事だった。有力候補に挙げられながら開幕からつまずき、優勝争いから早々と脱落。7月末のトレード期限前には、エースのグリンキーをエンゼルスに放出するなど、チームとして来季を見据えたはずだった。

 ところが、ルクロイら故障者が復帰し、打線が固定され始めた8月以降、急速に勝ち星がつながり始め、8月15日の時点で最大「12」まで膨れ上がっていた借金を、1カ月以内にすべて完済。その後も快調に白星を重ね、一気に上位へ浮上したのだ。

青木も「選手として幸せなこと」と充実感をにじませてプレー。

 レネキー監督が「この時期に、こんなにいい状態が続くとは思わなかった」と言えば、不動の1番に定着した青木宣親もプレーオフをかけた戦いに、充実感をにじませた。

「僕らは一度死んだ身だし、思い切ってやるだけ。プレーオフを争えるのは、選手として幸せなことですから」

 昨年までのシステムなら、ワイルドカード争いでブレーブスが独走し、ブルワーズをはじめ他チームにはほぼチャンスがなくなるはずだった。それが、2位枠増により、「死んだ身」のチームが、消化試合ではなく、最後まで緊迫した戦いを繰り広げることが可能となった。

 シーズンの大半で地区首位を走ったヤンキースのジラルディ監督も、新システムの効果には肯定的だった。

「1ゲームプレーオフは、とても楽しみなこと。どのチームも、プレーオフに出るために、積極的にチームを補強しようとするからね」

 真剣で、熱い試合が増えれば、ファンも喜び、観客数も伸びる。球界をより発展させようとするメジャーの貪欲な姿勢は、今も変わっていない。

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