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競泳日本を担う次世代エース誕生!
銅メダル・萩野公介、飛躍の理由。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShinji Oyama/JMPA

posted2012/07/29 12:10

競泳日本を担う次世代エース誕生!銅メダル・萩野公介、飛躍の理由。<Number Web> photograph by Shinji Oyama/JMPA

4分8秒94の日本新で高校生としては56年ぶりのメダリストとなった萩野公介。予選でも4分10秒01の日本新をマークし勢いにのっていた。1956年のメルボルン五輪400m自由形、1500m自由形で銀メダルに輝いた山中毅選手は、ローマ、東京大会にも出場して計4つの銀メダルを獲得した。萩野の未来に期待が膨らむ。

 28日、競泳初日。日本は期待が膨らむ明るいスタートを切った。

 400m個人メドレーで、高校3年生の萩野公介が銅メダルを手にしたのである。高校生のメダル獲得は、1956年のメルボルン五輪以来、じつに56年ぶりのことだ。

 しかも、このレースには、昨年の世界選手権5冠のライアン・ロクテ、北京五輪8冠など数々の活躍を見せてきたマイケル・フェルプスのアメリカの2大スター選手がいる。さらに強豪選手が複数名そろう。

 レース前の予想では、ロクテとフェルプスのどちらが勝利するかが関心の的だった。ところが萩野は、堂々、予選を1位で決勝に進むと、フェルプスを破り、3位に食い込んだのだ。

北京8冠のフェルプスを抜き返す見事なレース。

 レースそのものが見事だった。

 最初のバタフライを6位でターンすると、2種目め、得意とする背泳ぎで2位に。3種目めの平泳ぎでは、途中の250mで、銀メダルを獲得することになるペレイラ、そしてフェルプスに抜かれ4位に落ちる。

 ところがそのまま引き下がりはしなかった。フェルプスを抜き返して3位で最後の自由形を迎えると、そのままリードを保ち、3番目にタッチし、銅メダルを手にした。

「フェルプス選手は本調子じゃないと思いますが、それでも勝てたのはうれしいです」

 当の本人も、素直に喜びを表した。

8歳の萩野を見て「この子は水泳のために生まれてきた」。

 突然現れた感のある萩野は、競泳の世界ではかねてから将来を嘱望される存在だった。

 水泳を始めたのは生後6カ月のこと。

 8歳のとき、現在も指導にあたる前田覚コーチと出会う。

 前田氏は、当時の印象をこう語る。

「天才だと思いました。この子は水泳のために生まれてきた子だなと思いました」

 水中での動きの無駄のないこと、しなやかさが魅力的だった。

 コーチの期待通り、小学生の頃から、数々の大会で記録を塗り替え、高校1年生でパンパシフィック選手権の日本代表に選ばれるなど順調にステップを踏んできた。

 まっすぐに歩んできた萩野にとって、転機が訪れたのは昨年のことだった。

【次ページ】 飛躍へとつながった不調の1年。

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