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松坂大輔メジャー復帰が秒読み開始!
肘の手術の成功・失敗例を検証する。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byAP/AFLO

posted2012/05/14 10:30

松坂大輔メジャー復帰が秒読み開始!肘の手術の成功・失敗例を検証する。<Number Web> photograph by AP/AFLO

7日の3Aでの試合に登板した松坂大輔。「きょうは肘の感覚が重たくてダルい感じ」と試合後にコメントした。現在3Aダーラムに所属している松井秀喜との対決はあるのか?

 昨年の6月10日、肘の靭帯の移植手術、いわゆる「トミー・ジョン手術」を受けた松坂大輔のメジャー復帰が近づいてきた。

 5月7日、トリプルAでの術後3度目となる登板では、4回3分の2、87球を投げて降板したが、アメリカン・リーグ東地区で下位に低迷するレッドソックスにとっては、松坂の一日も早い復帰を願っていることだろう。

 以前このコラムで、ナショナルズのスティーブン・ストラスバーグが「トミー・ジョン手術」を受けた時に、手術を巡る最新事情を説明したことがある。

 リハビリの発達によって、中には術前よりも球速がアップする例もあり、アメリカではトミー・ジョン手術を受けることにほとんど抵抗がなくなっている──という現状を紹介した。

肘にメスを入れる外科手術にも抵抗がない理由とは。

 手術へのためらいがなくなったのは、術後に活躍している選手が多いからだが、それにはいくつかの医学的な理由がある。

・手術にあたって大きく切開する必要がなくなり、回復が早くなった
・手術中に神経を痛めるケースが初期にはあったが、現在では医師が慎重になっていることもあり、神経を痛めることが少なくなった
・リハビリの発達

 リハビリは術後16週目からスタートするが、肩とコアマッスルを鍛えることで肘への負担を軽減することを目的としている。この30年間で研究が飛躍的に進んだことで、選手たちのリハビリ・プログラムは完成に近づいているといわれている。

手術後、大成功を手にした投手たちの実例を見てみる。

 さて、気になるのは松坂がメジャーに復帰した時にどれほどのピッチングが披露できるかということだが、過去には術後に大成功を収めた選手たちがいる。ふたりの投手を紹介してみよう。

ティム・ハドソン(ブレーブス)

 ハドソンは1999年にアスレチックスでメジャーデビューし、2005年からブレーブスに移籍した。しかし肘の違和感を感じ、2008年、33歳で手術に踏み切る。

 復帰までのタイム・スケジュールは、次のようなものだった。

2008年8月8日   手術
2009年7月2日   ブルペンでの投球練習開始
           7月17日 マイナーリーグで登板
           9月1日   メジャーで先発復帰

【次ページ】 手術後に3年20億円の契約を結んだティム・ハドソン。

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