SCORE CARDBACK NUMBER

ついに「西高東低」が変わる?
混戦のクラシックを占う。
~桜花賞、皐月賞の本命予想~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2012/04/01 08:00

ディープインパクト産駒のワールドエース。父譲りの末脚(33秒0)できさらぎ賞を制した。

ディープインパクト産駒のワールドエース。父譲りの末脚(33秒0)できさらぎ賞を制した。

 いよいよクラシック本番が近づいてきた。

 第一弾の桜花賞(GI)は4月8日に阪神競馬場の芝1600mを舞台に行なわれるが、関東馬の勢力が例年にないほど厚くなっているのが興味をそそる。なにしろ、チューリップ賞がハナズゴール(牝3歳、美浦・加藤和宏厩舎)、アネモネSがパララサルー(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)、フィリーズレビューがアイムユアーズ(牝3歳、美浦・手塚貴久厩舎)と、3つあるトライアルレースの全てを関東馬が制したのだ。断然の主役と目されていた2歳女王ジョワドヴィーヴル(牝3歳、栗東・松田博資厩舎)がチューリップ賞で3着に沈んだことで、下克上ムードに俄然拍車がかかった感がある。

 そもそも、別々の路線で力をつけてきた東西の勢力がガチンコでぶつかり合うのがクラシックの妙味。近年ずっと引き立て役に甘んじてきた関東馬が五分に戦えれば、盛り上がりも違うことだろう。

 牡馬は4月15日の皐月賞(中山、芝2000m、GI)が最初の関門。ダービーにも直結する、最も重要なトライアルと位置づけられている弥生賞(3月4日、中山、芝2000m、GII)を制したのもやはり関東馬のコスモオオゾラ(牡3歳、美浦・高橋義博厩舎)で、こちらも西高東低の“気圧配置”が変わりつつあることを示している。しかし、冷静に分析すると、中山の馬場はこの日に限らず内も外も荒れていて、特に外から追い込んでくるタイプには厳しい設定となっていた。これがコスモオオゾラには大きなプラスに働いたのだ。

スプリングSでは、グランデッツァらが関西馬の底力を示した。

 対照的に1番人気のアダムスピーク(牡3歳、栗東・石坂正厩舎)は、外に出したくないあまりに馬群の中で揉まれる結果になり、まったく力を出すことができなかった。極端な馬場状態だったわけだが、本番も同様のコンディションになる可能性もあり、この結果を決して軽視するわけにはいかないだろう。

 トライアルの最終戦、スプリングS(3月18日、中山、芝1800mGII)は、グランデッツァ(牡3歳、栗東・平田修厩舎)とディープブリランテ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が1、2着して、関西馬の底力を示した。こうして東西の勢力が拮抗して競い合う形が最も面白いと言えるだろう。歓迎すべき風向きの変化ではある。

 混戦という評判も聞こえるが、筆者はワールドエース(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎、4戦3勝)が、器の大きさで抜きん出ていると思っている。魅力的な勝ち方で新馬戦を勝利し、2戦めは展開のアヤで負けたが、きさらぎ賞を豪快に差し切って、すぐに汚名をそそいだ。得意とは思えない中山の馬場だが、ここを無事に通過するようなら3冠も可能だろう。

関連コラム

ページトップ