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王者“エディ・サントリー”、
日本選手権との2冠なるか。
~日本ラグビーの頂点へ~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byHiroki Takami(T&t)

posted2012/03/11 06:00

王者“エディ・サントリー”、日本選手権との2冠なるか。~日本ラグビーの頂点へ~<Number Web> photograph by Hiroki Takami(T&t)

サントリーが4季ぶりの栄冠。「リーグ1位での優勝」はチーム初。

 後半20分まで、ワンチャンスで同点となる7点差で進んでいた試合は、最後の20分間で動いた。

 豪州代表で110キャップを持つサントリーのFLジョージ・スミスが左に右に連続トライ。パナソニックが南アフリカ代表CTBジャック・フーリーのトライで反撃すれば、サントリーは日本代表CTBニコラス・ライアンのPGとトライ、ゴールで倍返し。最後はパナソニックが42分42秒まで攻め続けて執念のトライを返したが、むしろその時間帯、反則せずタックルに密集に体を張り続けたサントリーに鬼気迫るものを感じた。

 47対28。得点も得点差も、プレーオフ決勝の最多記録を塗り替える圧巻の勝利。だがそれは、試合直前に中心選手を2人もケガで欠く緊急事態で掴んだものだった。

 外れたのは、LO篠塚公史とCTB平浩二。2人は今季の全13試合に先発し、平はすべてフル出場。篠塚も最後の13分間にピッチを出た試合がひとつあるだけ。今季、FWとBKそれぞれで最も長い時間ピッチに立ち、チームを支えてきた柱だ。

誰かの特別な能力に頼らないサントリーの華麗な展開ラグビー。

 代わってメンバー入りしたのは、LOに今季出場1試合、プレー時間僅か13分の田原太一。CTBには、今季6試合に途中出場したが、3年目で公式戦先発はゼロという岸和田玲央が入った。トイメンは、エディ・ジョーンズ監督が「世界一のCTB」と称賛するフーリー。南ア代表69キャップを持つ190cm・105kgの巨漢を止める役は重荷に見えた。

 しかし、サントリーのゲームプランは崩れなかった。

「彼らには、シンプルなプレーを指示しました」とエディ監督は言った。

「キシはハードランナーでハードタックラー。タイチはラインアウトがとても上手。自分の強みを出そう」

 岸和田の姿勢もポジティブだった。

「サントリーは、特にBKは、みんなどこかの代表だから、練習でもいつもチャレンジを楽しんでます。誰がケガをして誰が入っても、サントリーのラグビーはできると思う」

 華麗な展開ラグビーは、誰かの特別な能力に頼るのではなく、鍛え上げた基本スキルの強さと精度、それを休みなく反復するワークレートで構築される。世界のビッグネームによるプラスアルファも、頑丈な骨格の上でこそ破壊力を発揮するのだ。

【次ページ】 準決勝は、リーグ戦で敗れている東芝との対戦に。

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