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現役メジャー選手、唯一の「42番」。
ヤンキースのリベラが決めた最後。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2012/03/03 08:01

現役メジャー選手、唯一の「42番」。ヤンキースのリベラが決めた最後。<Number Web> photograph by Getty Images

昨シーズンまで、メジャー通算603セーブと歴代1位の記録を持つマリアノ・リベラ投手。過去、1999、2001、2004年と年間最多セーブも3回記録するなど、ヤンキースのみならず、メジャーを代表するクローザー

 メジャー史上初の黒人選手となったジャッキー・ロビンソン氏のデビュー50周年を機に、彼が付けていた背番号42番をメジャー全体の永久欠番にすることを決めたのが1997年4月15日のことだった。そして2004年以来、メジャーでは毎年4月15日が“ジャッキー・ロビンソン・デー”という恒例行事として定着し、希望選手全員が42番をつけて出場するというのが名物になっている。

 そんな恒例行事に関係なく、現在も堂々と42番を着用できる選手がたった1人だけ存在している。ヤンキースの絶対的クローザーのマリアノ・リベラ投手だ。彼が42番を使用し始めたのは、メジャー初昇格を果たした1995年のこと。つまり42番が永久欠番となる以前からだ。

 永久欠番が発表された当初、選手、コーチらが42番を使用していたため、MLBは「発表時点で42番を使用している選手、コーチの経歴が継続している限り使用できる」という特例を設けていた。それも今や昔のこと。リベラ以外はみな姿を消してしまった。

 実は2007年にNumber Webで、リベラのFA移籍の可能性とともに、42番の消滅を危惧するコラムを書いたことがある。つまり、5年前の段階ですでに42番はリベラ1人しかいなかったということだ。

「他の選手には味わえないプレッシャーがある」

 これだけ長い間たった1人、永久欠番を使用し続けることを、リベラ自身はどう感じているのだろうか。本人に聞いてみた。

「最初はメジャー昇格したときに渡された背番号でしかなかった。とにかく自分の仕事を全うすることだけしか考えていなかった。それから時を経てジャッキー・ロビンソンという存在を知ることになり、42番をもらったことに感謝するようになり、そしてこの番号をずっと使用したいと思うようになった。

 ロビンソンは自分も含めたマイノリティの代表だった。その歴史的意味を理解しているだけに、42番という背番号を使用することは光栄であると同時にチャレンジでもある。もちろん自分から42番を望んだわけではないが、今では自分1人がその番号を使用しているという他の選手には味わえないプレッシャーがある」

【次ページ】 栄光の背番号に、リベラが加えた新たな伝説とは?

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