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インテル、ついに首位陥落。
大逆転のローマは逃げ切れるか? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2010/04/15 10:30

インテル、ついに首位陥落。大逆転のローマは逃げ切れるか?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

没落したはずのローマが急浮上。9季ぶりの優勝なるか

 ローマがついに首位を奪取した。セリエA今季残り5節にして、インテルがまさかの陥落。その首位交代劇は、両クラブのシンボルになぞらえ、“狼のひと噛み、ついに大蛇の首根っこをとらえた!”と譬えられている。

 昨夏のクラブ買収騒動に、開幕早々の監督交代劇。スクデットなど望むべくもなかったはずのローマに、一体何が起こったのか。

 開幕2戦で連敗スタート。指揮官スパレッティは「このチームの一時代は終わった」という言葉を残し、精気を失った面持ちで辞任した。急遽、後継となった監督ラニエリは、中盤のMFデ・ロッシと万能FWのブチニッチ、そしてCBブルディッソという軸を固め、4バックをベースとした週変わりの布陣を駆使して、粘り強い戦いを見せ始めた。

 だが、序盤のチームの土台はまだ脆く、“ローマに賭けよう”という者などいるはずがなかった。

 10節のウディネーゼ戦に負けた後、『Snai』社他有力ブックメーカーがつけた「ローマ優勝」の最大倍率は、何と300倍。鉄板インテルの同オッズが2倍なのだから、話にもならない。首位を独走するインテルとの勝ち点差は14節終了時点で、最大の14点差まで開いていた。

23試合無敗の驚異的勝率でインテルから首位の座を奪取。

 懐の厳しいローマだったが、1月の移籍市場でバイエルンからFWトニのレンタル補強に成功する。以来、ラニエリは無敗街道を着実にたどった。

 そして迎えたオリンピコでの頂上対決で、デ・ロッシとトニによる2発でインテルに快勝、勝ち点差1に迫る。フィレンツェでインテルがまさかのドローに躓いた33節、ローマはホームで降格濃厚なアタランタを下すと一気に首位へ躍り出たのだ。11節バーリ戦から17勝6分、23試合負けなしの驚異的ハイペースである。

「(最後に優勝した)9年前とまったく同じ感覚がする。スクデットの匂いがしてきた」(トッティ)、「俺たちは飢えた狼だ」(ブチニッチ)と鼻息も荒い。3月末には、ブックメーカーのローマ人気も2.81倍にまで急上昇。にわかに勝負師たちの目もぎらつき始めた。

 苦しい台所事情にも光明が見えてきた。ピッチでの好成績が、ブランドネームの再評価に繋がりつつあるのだ。テクニカル・スポンサーの「Kappa」とは5年総額で約3千万ユーロ、メインスポンサーの携帯キャリア「Wind」とも3年総額2千5百万ユーロの大型契約延長交渉が4月中にもまとまる見込みだ。

【次ページ】 追う者から追われる者へ──気の抜けない戦いが続く。

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