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チームワークが光った、
パラリンピックの日本勢。
~前回を上回る11個のメダル獲得~ 

text by

宮崎恵理

宮崎恵理Eri Miyazaki

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photograph byKenta Yokoyama/PHOTO KISHIMOTO

posted2010/04/13 06:00

チームワークが光った、パラリンピックの日本勢。~前回を上回る11個のメダル獲得~<Number Web> photograph by Kenta Yokoyama/PHOTO KISHIMOTO

表彰式後、スレッジホッケー主将の遠藤は「取ったぞー!」と叫んだ

 3月12日から10日間にわたって行なわれたバンクーバー冬季パラリンピック。日本は初出場となる車いすカーリングのほか、アルペンスキー、クロスカントリースキー、バイアスロン、アイススレッジホッケーの全5競技に出場し、前回のトリノ大会を2個上回る11個(金3、銀3、銅5)のメダルを獲得した。

 今大会の日本勢を一言で表すなら「チームワークの勝利」だ。アルペン競技の男子座位では、トリノで獲得したメダルは森井大輝の大回転での銀メダル1個のみ。しかし、今大会ではスーパー大回転で狩野亮が金、森井が銅、滑降では森井の銀、狩野の銅、大回転で鈴木猛史の銅と5個のメダルを獲得。チームリーダーの森井は自分のメダルよりも仲間のメダルを喜んで大粒の涙をこぼした。

 初出場したトリノ大会の回転で27位に終わった狩野は、銀メダルを獲得した森井を目標に練習してきた。森井はそんな狩野や鈴木ら後輩たちに、スキー技術からチェアスキーの調整法、筋力トレーニングのやり方など、持てる知識と経験を惜しみなく注ぎ込んできた。'08年、'09年に森井が大回転での年間総合優勝を果たす頃には、狩野、鈴木も世界の上位常連に成長した。森井はこう語る。

「僕が教えるだけでなく、例えば狩野の滑降のライン取りなど後輩から教えられることも多い。そうやってチーム内で技術と情報を共有してきたんです。今回、仲間とともに表彰台に上がることを目指してきて、それが実現できた。今のチームを本当に誇りに思います」

所属チームの垣根を取り払った強化支援が功を奏した。

 クロスカントリースキーの新種目、1kmスプリントでは、男子立位の新田佳浩が今大会自身2個目となる金メダルを、女子立位の太田渉子が銀メダルを獲得した。クロカンチームは選手8名に対し14名のスタッフが帯同。決勝までの3レースで、ワックススタッフは過去に同じコースで行なわれたW杯の経験を生かし、刻々と変化する気象や雪面状況に合わせた最適のワックス状態を保ち続けた。

 また、新田、太田が所属する日立システムアンドサービスは、所属選手だけでなく日本代表チームに対しても専門的な強化支援を行なってきた。こうしたチーム一丸となった強化体制が今回の好結果を導いたのだった。

【次ページ】 アイススレッジホッケーの銀メダルは「チーム力」の勝利。

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