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内山高志、KO王座統一で
膨らむビッグマッチへの期待。
~粟生隆寛との日本人対決は?~ 

text by

赤坂英一

赤坂英一Eiichi Akasaka

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photograph byHiroaki Yamaguchi

posted2012/01/16 06:00

内山高志、KO王座統一で膨らむビッグマッチへの期待。~粟生隆寛との日本人対決は?~<Number Web> photograph by Hiroaki Yamaguchi

11回開始直後、強烈な左フックでソリスを沈め、V4を果たした

 日本ボクシング史上に残る見事なKOシーンだったと言っていい。

 昨年大晦日にWBA世界スーパーフェザー級王者“ノックアウトダイナマイト”内山高志が、暫定王者のホルヘ・ソリスと激突した王座統一戦。11回に内山の左フックがソリスのこめかみにヒットした瞬間、相手は糸を切られた操り人形のように仰向けに倒れた。鮮やかにして、圧巻の幕切れ。レフェリーは一つもカウントせず、即座にTKOを告げた。

 内山はかつて、顎への右フックで挑戦者の左頬骨を骨折させ、「当たった途端、ガシャン! という音がした」と表現したことがある。今回の左フックはどうだったのだろう。

「バーン! というものすごい衝撃が拳から身体に伝わってきた。右では何度かあったけど、左では初めてじゃないかな。それを感じた瞬間、倒れる、勝った、と思いました」

 同じ大晦日、WBC世界ミニマム級王者井岡一翔も、世界ランキング10位の挑戦者に1回でKO勝ちしている。しかし、内山が倒したソリスは、世界トップクラスの強豪、パッキャオやガンボアと拳を交えている歴戦の強者だ。ベルトを奪ったサルガド戦以来、常に強い挑戦者を屠り続けてきた内山自身が、「いままでで一番手強い相手」と警戒していたほど。昨年1月の防衛戦で右手靱帯を痛め、中指を脱臼し、11カ月ものブランクがあったからなおさらだ。

2010年の長谷川穂積とモンティエルの頂上決戦を彷彿とさせた攻防。

「最初は身体が少し浮いている感じがして、右フックが大振りになっていました。ソリスもうまいし、目がいいんです。スウェーして数センチのところでかわされる。カウンターで右ストレートを狙っていたので、迂闊には踏み込めない。だから序盤はジャブでポイントを稼ごうと考えました。判定でもいいから、確実に勝てるボクシングをやろう、と」

 5回、初めて左フックがソリスの頭を捉え、腰が落ちた。勢い込んで倒しにいく内山に、ソリスも驚異的な運動量で動き続け、容易に決定打を打たせない。息詰まるような緊張感の中、終盤まで続いた世界トップレベルの攻防は、2010年の年間最高試合賞に輝いた事実上のバンタム級王座統一戦、長谷川穂積とモンティエルの頂上決戦を彷彿とさせた。

 そのソリスの足を止めたのは10回の終了間際だ。左のボディーブローが脇腹に突き刺さった直後、「ウウッ!」というソリスのうめき声を、内山ははっきりと聞き取った。

【次ページ】 WBC同級王者、粟生との統一戦が期待されるが……。

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