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有馬記念に見る、
“黄金時代”再来への道。
~オルフェーヴルvs.ブエナビスタ~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byHideharu Suga

posted2011/12/24 08:00

有馬記念に見る、“黄金時代”再来への道。~オルフェーヴルvs.ブエナビスタ~<Number Web> photograph by Hideharu Suga

先輩3冠馬ディープインパクトは3歳の有馬記念で敗れたが、オルフェーヴルは果たして?

 '70年代後半からの10数年間は、競馬場が土日を問わず人で溢れ、馬券を買うためにはそのたびに行列を覚悟しなければいけない時代だった。眺めがいいばかりではなく馬券も比較的ゆったりと購入できた指定席券は、文字通りのプラチナチケット。張り切って始発電車に飛び乗って競馬場に着いたとしても、徹夜組に先を越されて、いい席はすでに売り切れということも珍しくなかった。

 いま思えば、それは競馬界にとって幸せな姿だった。しかし当時のJRAは「混雑解消」をファンサービスの緊急課題に掲げて知恵を絞った。その結果場外馬券売り場にウインズというお洒落なネーミングを施すなどしてファンの誘導につとめ、さらには電話やインターネットによる投票の普及を精力的に行なった。ずっとあとになってライブ観戦の楽しさをPRする戦略も付け加えたが、後の祭り。今では行列ができなくなり、競馬場にファンを呼び戻す難しさを嫌と言うほど味わっている。

 '11年は原稿執筆の12月12日時点で10万人を超える入場を集めたのが、なんとジャパンカップの1回きり。長い不況の影響があるにしても、経営戦略の誤りが、後遺症として未だ残っていることを指摘しておきたい。

ブエナビスタとオルフェーヴルはこれが最初で最後の対戦。

 年末の名物レース、有馬記念('11年12月25日、中山競馬場、芝2500m、GI)は、ジャパンカップ組に、社台グループが「ディープインパクトより強い」と評価している3冠馬オルフェーヴル(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)を加えた豪華メンバー。当日の天候に大きな崩れがない限り(とはいえ、オルフェーヴルは雨男の資質も十分に持っていそうだが)、'11年2回目の10万人オーバーは間違いのないところだ。

 ファン投票の1位は、2年連続でブエナビスタ(牝5歳、栗東・松田博資厩舎)がその栄誉に輝いた。'11年のジャパンカップ完勝でGIコレクションを6個まで延ばした名牝は、いよいよこのレースが見納め。新たな時代を築くはずのオルフェーヴルとはこれが最初で最後の対戦となるわけで、先に抜け出すオルフェーヴルをブエナビスタが追いつめて差し切ってしまうのかどうか、想像は膨らむばかりだ。

 こんな上質なレースを続けること。それが黄金時代の再来への唯一の道だろう。

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