SCORE CARDBACK NUMBER

ボブキャッツを買収したMJは
名経営者となるか。
~NBAの“伝説”がオーナーに~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/03/30 06:00

ボブキャッツを買収したMJは名経営者となるか。~NBAの“伝説”がオーナーに~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

3月5日レイカーズ戦ではベンチで見守る中、買収後初勝利。プレーオフ出場も見えてきた

「5年もすれば世間はマイケル・ジョーダンのことを忘れるだろう」

 1993年、ジョーダンが1回目の引退をしたときのケビン・マクヘイル(元ボストン・セルティックス)の言葉だ。

 その後ジョーダンが現役復帰し、5年後の'98年はジョーダン人気最盛期だったが、'03年に最後の引退をしてから7年近くたった今、確かに世間はジョーダンのことを忘れつつある。NBAファンはコービー・ブライアントやレブロン・ジェームスなど新しいスーパースターに熱中するようになり、ジョーダンの名前はたまの昔話以外で聞くことはなくなった。

 ジョーダン自身も、まるでスポットライトを避けているかのようだった。'06年以来、シャーロット・ボブキャッツの共同出資者兼バスケットボール部門運営責任者としてチーム運営に携わっているが、ドラフトやトレード後の記者会見に時折出てくるぐらいで、個別取材も限られたものしか受けていない。昔から見世物として利用されることを嫌っていた人だけに、広告塔になることなくチームを運営できることを証明しようとしたのかもしれないが、片手間にチーム運営をしているという批判も受けた。

買収金額数億ドルでNBA史上初の選手出身オーナーに。

 そんなジョーダンが、近々再びNBAの表舞台に戻ろうとしている。といってもすでに齢47、選手としての復帰ではない。2月末、現ボブキャッツの筆頭オーナー、ボブ・ジョンソンからチームを買収することに合意したのだ。3月中旬にはNBAオーナー会議でも承認され、正式にボブキャッツの筆頭オーナーとなった。2億7500万ドル(約250億円)と言われる買値はジョーダン自身の資産から払うと伝えられる。元選手がチームの筆頭オーナーになるのはNBA史上初めてのこと。常に独自の道を歩んできたジョーダンらしい。

 この先の道は簡単ではない。ボブキャッツは毎シーズン数千万ドルの赤字を出していると言われており、経営改革は必須。当たり前のことながら、名選手だからといって名経営者とは限らず、ジョーダンは今後、経営手腕を証明していかなくてはいけない。

 それでも、一傍観者としては負けず嫌いのジョーダンが壁に立ち向かう姿を再び見られることが楽しみだ。独自の美学を持つ彼の言葉を聞く機会が増えそうなのも嬉しい。ウェルカムバック、MJ!

■関連コラム► フィル・ジャクソンの究極スター操縦法。~ジョーダン&コービーを育てた男~ (10/01/17)
► スーパースターは何故、殿堂入りを嫌がったのか。――M・ジョーダン復帰の可能性。 (09/05/13)

関連キーワード
マイケル・ジョーダン
シャーロット・ボブキャッツ
NBA

ページトップ