SCORE CARDBACK NUMBER

10季目に光明が見えた
不運な男、クロフォード。
~NBAプレーオフ初出場も当確!?~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/03/17 06:00

抜群の得点能力を持ち、異なる3チームで50得点以上を記録した史上4人目の選手である

抜群の得点能力を持ち、異なる3チームで50得点以上を記録した史上4人目の選手である

 それは、まるで彼のNBAキャリアを暗示するかのような不運な出来事だった。プロ1シーズン目を終えたばかりのジャマール・クロフォード(当時シカゴ・ブルズ)は、'01年夏、トレーニング合間のピックアップゲーム中に左膝前十字靭帯を断裂してしまった。激しい接触プレーだったわけではなく、ドリブルしながら走っているときに突然起きた不運な故障だった。

 7カ月のリハビリを経て故障から復帰したものの、別な面で不運は続いた。マイケル・ジョーダン引退後の低迷期の若いブルズで4シーズン苦しんだ後、混乱期のニューヨーク・ニックスにトレードされ、昨季半ばにゴールデンステイト・ウォリアーズにトレードとなった。ブルズはクロフォードが出た翌シーズンに、ニックスは彼が入る前シーズンに、そしてウォリアーズは1年半前にプレーオフ進出を果たしていた。まるでその合間を縫うかのようにプレーオフを逃し続けたのだ。今季プロ10シーズン目を迎え、2月23日現在、計651試合に出場しているクロフォードは、プレーオフ経験がない現役選手の中で最もベテランという不名誉な記録の保持者である。「記録のことはそれほど気にならなかったけれど、実際にプレーオフに出たことがないのは悔しかった」とクロフォードは言う。

「あの故障のおかげで成長することができた」と苦労を糧に。

 リーグの中で最も得点力があるガードの一人でありながら、5月、6月はいつも他の選手が活躍するのをテレビで見るだけだった。これまでで最もプレーオフを身近に感じたのは、去年春、親友のブランドン・ロイ(ポートランド・トレイルブレイザーズ)を応援するために会場を訪れたときだった。

 しかし、それも昨シーズンまで。昨年6月、東カンファレンス上位を競う若くて上り調子のアトランタ・ホークスにトレードになり、カンファレンス4位(2月23日現在)につける同チームに控えの一番手として貢献。今春、プレーオフに出られることはほぼ確実だ。「プレーオフは楽しみだ。レギュラーシーズンのために戦っているのではなく、プレーオフのために戦っているのだから」とクロフォード。

 今となっては、苦労した期間も必要だったと思えるようになった。

「今から思うと、あの故障のおかげで成長することができた。それは確かだ」

■関連コラム► “ファンキーな男”ノアは、ロッドマン2世となるか。~ブルズにヒーロー誕生!?~ (09/11/30)
► ホークスが9年ぶりに、プレイオフ出場の快挙。 (08/05/01)

ページトップ