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強く賢くなった棚橋弘至、
夢の「V10」突破へ驀進中。
~新日本のエースが抱く自負~ 

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門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/11/01 06:00

強く賢くなった棚橋弘至、夢の「V10」突破へ驀進中。~新日本のエースが抱く自負~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

今夏のG1で敗れた内藤を退け、V8を達成。「時代はさらに俺が変えていく」と宣言した

 高いハードルだった「V10」の更新が現実味を帯びてきた。新日本プロレスのエース、棚橋弘至のことだ。

 秋本番の好勝負、王者・棚橋vs.挑戦者・内藤哲也のIWGPヘビー級選手権試合が10月10日、東京・両国国技館で行なわれ、棚橋が得意技ハイフライフロー2連発で、粘る内藤をマットに沈めた。これで連続8度目の防衛達成。追い上げてくる後輩に「世代交代は許さぬ」。終わってみれば、棚橋の完全な横綱相撲だった。

 ところがタイトル戦後に思わぬハプニングが発生。“バーバー”矢野通がチャンピオン・ベルトを持ち逃げしたのだ。その矢野との9度目の防衛戦が11月12日、大阪府立体育会館で開催されることに。怒り心頭の棚橋は「あの矢野は絶対許さない!」とキッパリ言い切った。

 棚橋は今年の1月4日、東京ドームで外敵・小島聡(10月、新日本に再入団)を破ってベルト奪回に成功、永田裕志の持つ連続王座防衛記録10回の突破をスローガンに掲げた。だが、この時点では、長期政権構築のための「希望の数字」としか映らなかった。

「俺がプロレス界を引っ張る」という、リーダーとしての自負。

 棚橋の天敵はケガだが、この夏、ヒザの故障がなかったことが幸いし、メキシコ遠征を含め、コンディション調整がうまくいった。そして、9月19日、神戸ワールド記念ホールにおける7度目の防衛戦で、G1初優勝で勢いに乗る中邑真輔を倒したのが大きかった。この“頂上対決”を制したことによって、一気に「希望の数字」が見えてきたのだ。

 振り返ってみれば、8月27日の日本武道館、3団体のチャンピオンが揃い踏みした「ALL TOGETHER」のリングでリーダーシップを発揮。出場82選手全員と「プロレス最高!」と雄叫びをあげるというパフォーマンスをやってのけた。「俺がプロレス界を引っ張る」という、リーダーとしての自負。精神的なバックボーンが、棚橋を強く、賢くした。

 10・10の両国では、「まだまだアンチエージングで、もう一回いいだろう」と“ミスターIWGP”永田も挑戦者として名乗りをあげた。新日本の最終戦は12月4日の愛知県体育館。棚橋が矢野を撃破していれば、ここでの相手は当然、永田だろう。来春1・4の東京ドームで11回目の防衛を果たしての新記録達成も、夢ではなくなってきた。

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