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61歳で壮絶渾身ファイト。
どこまで続く、天龍劇場。
~35周年記念興行の異様な熱気~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

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photograph byEssei Hara

posted2011/11/30 06:01

61歳で壮絶渾身ファイト。どこまで続く、天龍劇場。~35周年記念興行の異様な熱気~<Number Web> photograph by Essei Hara

激しいチョップ合戦の末、佐々木(左)に敗れた天龍。胸を赤く腫らしつつ限界まで戦った

 来春2月に62歳を迎える頑固親父、なんでそこまでやるの……。“生涯現役”を貫いた恩師・ジャイアント馬場さん(享年61)を超えたじゃないか。

 天龍プロジェクト主催の「天龍源一郎プロレス35周年記念興行」が、11月10日、東京・後楽園ホールで行なわれた。オープニングマッチにプレミアム出場した天龍は、メインにも再出場。途中でブッ倒れながら1日2試合を戦い抜くという渾身のファイトをやってのけた。

 この日のメインは、全員が歴代3冠ヘビー級王者という、超豪華な6人タッグマッチ。天龍は鈴木みのる、諏訪魔とトリオを組み、佐々木健介、小島聡、太陽ケア組と激突した。

 主役の天龍を除く5人はバリバリのトップ選手。しかも全日本のリングでいがみ合ってきたライバル同士だ。互いの因縁とプライドが絡み、意地の突っ張り合いの中、試合開始のゴングが鳴ると、“天龍祭り”の和んだムードなどいっぺんに吹っ飛んだ。

持病の腰痛でヒザもガタガタだが、天龍大河ドラマの幕引きはない。

 天龍と健介が一歩も引かぬ壮絶な水平チョップ合戦を繰り広げれば、パートナーのみのるは倒れた天龍を助けに入るどころか、「化け物、しっかりしろ!」と逆に尻を叩く始末。満員の会場は、殺伐とした空気の中、異様な熱気に包まれた。「ビシッ!」「バシッ!」と響く天龍と健介のチョップの張り合いは、デイリースポーツ藤澤浩之記者のカウントによれば、双方の合計88発。最後は天龍が力尽き、29分42秒、健介のブレーンバスターで大の字になった。

「久しぶりにプロレスを堪能して腹一杯」と強がる天龍節が響く控え室。その胸板は内出血してみみず腫れ、見るも無残な姿になりながらも「この野郎っ、という気持ちがある限りやるよ」と語ったが、持病の腰痛の悪影響でヒザもガタガタだ。

 それでも天龍大河ドラマの幕引きはない。「俺の役目は団塊の世代を元気づけること」と、次の興行に意欲を燃やす。2年後には、大相撲時代を含めた「格闘技生活50周年」を迎える。昨年4月に旗揚げした天龍プロジェクトの代表は、愛娘の嶋田紋奈さん。「大将は何か大きいことをやりたいと思っている」と、父親の胸の内をちょっぴり明かしてくれた。本人の口からどんな構想が飛び出してくるか。その動向が楽しみだ。

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