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バッシングの嵐の後に、
亀田兄弟が取る進路。
~長男・興毅は王座統一戦へ~ 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2010/03/23 06:00

バッシングの嵐の後に、亀田兄弟が取る進路。~長男・興毅は王座統一戦へ~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

2月、次男・大毅(中央)がWBA世界フライ級王者に。次は長男・興毅(左)が統一戦に臨む

 亀田兄弟ほどスキャンダラスなボクサーは、過去の日本のボクシングシーンのどこにも見当たらない。

 ファイティング原田以降60人の世界チャンピオンたちのライズ・アンド・フォールを見てきたが、亀田兄弟は他のどのチャンピオンともキャラクターが異なる。わがままと言われた藤猛や浪速のジョーでさえ、試合となれば大きな声援を背に戦ったが、亀田兄弟は時に同胞からのブーイングも浴びて戦わなければならない。亀田の試合の高いテレビ視聴率獲得に大いに貢献しているのは、彼らの言動が生み出したアンチのファンであろう。

 ボクサーとしては、とくに興毅の場合、申し分ない。スタイルはあくまで正攻法。口ほどに好戦的ではないが、本質は喧嘩屋ではなくアウトボクサーなのだ。手も脚も速く、防御は慎重すぎるほどしっかりしている。勘の良さは攻撃面より専ら防御面で発揮される。両手でガードを固めるあまりジャブが少ないという技術的な指摘もあるが、それでも17歳から6年のプロ歴で22戦して1度の敗北も喫していない。「ランダエタ初戦は負け」と信じるファンがいたとしても、興毅のボクサーの資質は認めなくてはなるまい。

興毅は全盛期を過ぎた暫定王者をいかに仕留めるか。

 亀田家の結束力とバイタリティの強さは他に類を見ない。社会現象にもなった一連の亀田騒動で受けた異常なバッシングさえ、ボクシングの肥やしにしてしまったのではと思えるほどだ。興毅の台詞「亀田とKOはセットや」は、正しくは「兄弟と“亀父”はセット」であろう。良くも悪くも今の亀田兄弟をかくあらしめたのは父・史郎氏のキャラである。

 3月27日、興毅はWBC世界フライ級の正規王者として、17度防衛を果たした暫定王者ポンサクレックとの統一戦に臨む。「強い相手と対戦しない」と批判を浴びてきた興毅だが、練習では何度も世界王者相手にスパーリングを重ねている。そのひとりが今度の相手である。全盛のポンサクレックを知る興毅と、新人時代の興毅しか知らないポンサクレック。若い王者がベテランをスピードで圧倒する場面のほうがより想像しやすい。

 今後も亀田兄弟はヒールの王者として君臨するのか。あるいは軌道修正を図るのか。まだ先の話だが、彼らがリングを去るときどんな評価を得ているのか、今から気になる。

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