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サーキットの暴れん坊は、
未来の人気者になれるか。
~モトGPの若き悪役? シモンチェリ~ 

text by

遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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photograph bySatoshi Endo

posted2011/07/14 06:00

サーキットの暴れん坊は、未来の人気者になれるか。~モトGPの若き悪役? シモンチェリ~<Number Web> photograph by Satoshi Endo

モジャモジャ頭がトレードマーク。ファニーなルックスだが、ライダー間では完全な悪役

 モトGPで2年目のシーズンを迎えるM・シモンチェリが、良くも悪くも、今年の話題をさらっている。

 良い部分とは、250cc時代から注目されていた才能を開花させ、速さに磨きをかけていること。今年はウインターテストからトップ争いに加わり、その成長ぶりに誰もが目を見張っていた。

 開幕戦カタールGPは5位。第2戦スペインGPでは、転倒リタイヤに終わるも、モトGPクラスで初めてトップを走った。これで自信をつけたシモンチェリは、第3戦ポルトガルGPから第8戦イタリアGPまで6戦連続でフロントローを獲得。常にPP争いを繰り広げる速さは大きな注目を集めた。しかし決勝では転倒が多く、8戦を終え、いまだに表彰台に立てていない。まだ、限界ギリギリで走っている一方、転ぶごとに確実に力をつけていることも事実だ。

 悪い部分とは、250cc時代から問題になっている強引な走りにある。第4戦フランスGPでは2位争いをしていたD・ペドロサと接触、転倒させて右鎖骨を骨折させてしまった。ペドロサは以降3戦を欠場し、事実上タイトル争いから脱落した。常々、乱暴な走りが指摘されていたシモンチェリだが、ペドロサ事件は、ライバルたちから危険なライダーとして糾弾されている最中の出来事だった。

ロッシの次のエースとして触手を伸ばすドゥカティ。

 そして今季2回目のPPから決勝に挑んだオランダGPでは、オープニングラップにJ・ロレンソを巻き込んで転倒した。C・ストーナーとチャンピオン争いをするロレンソは、再スタートするも結果は6位。このレースで2位のストーナーに28点差をつけられることになり、「転倒は仕方ないが、シモンチェリは何度も同じミスをする。彼のようなライダーは1戦出場停止にするべきだ」と、怒り心頭だった。

 とにかく、パドックでも賛否両論のライダーである。「アイツは速いけれど学習能力がない」と酷評される一方で、天然ボケともいえるトークは常に会見場を沸かせ人気もうなぎのぼり。ホンダが来季の契約更新を思案する一方で、ドゥカティがV・ロッシの次のエースとして触手を伸ばすなど存在感は増すばかり。

 速さは天性のもの。それをどう評価するのか。次々に事件を起こすシモンチェリの進路は、大きな分岐点を迎えている。

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