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<コートを去ったNBA屈指のセンター> シャキール・オニール 「巨人の残した大きな足跡」 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2011/07/01 06:00

<コートを去ったNBA屈指のセンター> シャキール・オニール 「巨人の残した大きな足跡」<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images
'00年代のNBAを代表するスーパースターが、 惜しまれつつも
19年の現役生活に幕を閉じた。 圧倒的なパワーでコートを
支配し続けた 「怪物シャック」の人物像と功績を振り返る。

 シャキール・オニールは相変わらず、奇想天外なことをやってのける天才だ。

 現役引退発表の仕方も、その例に漏れなかった。まず、引退することをツイッターで発表した。NBAのどの選手よりも早く、世の中の多くの人がこの新しいソーシャルメディアを知る前から、ファンとのコミュニケーションにツイッターを活用していたオニールらしい発表の仕方だ。さらに、引退会見はオーランド郊外にある自宅敷地内の体育館で行なった。これまで、自宅で引退会見を開いたスーパースターがいただろうか。

 人がやっていないことをやるというのは、昔からオニールのモットーだった。実は、子供の頃のオニールは、目立つことが嫌いな少年だったのだという。13歳ですでに2mの特大サイズだったのだから、同年代の中で常に目立つ存在だった。

「母に『この(珍しい)名前も身長も、好きではない』と言ったことがある」

 引退会見でオニールは、昔を振り返った。「そのときに母から『みんなに名前を覚えてもらいなさい。自分のことを覚えてもらえるようにしなさい』と言われた」

 母のアドバイスに従い、オニールは目立つサイズや名前を逆手に取り、自分のスタイルを作り出すようになった。冗談を言って周りを笑わせ、歌や踊りを練習し、身体が大きいだけではない存在感を作り出した。

巨体に似合わないクイックネスをすでに備えていた新人時代。

 バスケットボールに関しては、義父から大きな影響を受けた。義父はいつも、ウィルト・チェンバレンやビル・ラッセル、カリーム・アブドゥル・ジャバーといった名センターがいかにすばらしい選手だったかを話し、「お前も努力すれば、いつの日か彼らと並んで語られるようになる」とオニールを励ましたのだという。

 実際、コート上でオニールの存在感はずば抜けていた。1992年にNBAに入った時には216cm、136kg(当時)の巨体ながら、一回りサイズの小さい選手にも負けないだけのクイックネスを備えていた。自分でドリブルをついて速攻を出せるような器用さもあった。そして、何よりも、ゴールを壊すほどのパワーを持っていた。愛嬌ある笑顔と冗談好きの明るい性格もあり、あっという間にNBAの人気スターとなった。

 コート上でスーパースターだっただけでなく、コート外での活動もビッグだった。

【次ページ】 旺盛な好奇心を幅広く追求していくのがオニール流。

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