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“巨大宗教都市”としての東京を行く。
ご立派建築にイマドキの信心を見る。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/06/25 08:00

“巨大宗教都市”としての東京を行く。ご立派建築にイマドキの信心を見る。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

立正佼成会の大聖堂を望んでハイポーズ。とにかく圧倒的な存在感を誇る巨大建築です。一見の価値アリ!

 東京を自転車で走っていると、不意に「古い江戸」を感じることがある。

 たとえば線香の香りが漂ってくる場所だ。特に港区や文京区、台東区などを走っていると、え? と意外に思うほどに、この街には墓地とお寺さんが多い。そこからふと線香の香りが漂ってきて、おや、と思う。

 鳥居も多い。古い市街地の神社密度は、もうあっちにお稲荷さん、こっちに八幡さま、という感じ。いや「○○が丘ニュータウン」の類でもない限り、この街にはそこかしこに鳥居があって、八百万の神々が必ず住んでいる。

 もうひとつ、自転車で走っていて、ぎょっとするほどの「みごとな建築」に出会うことがある。あるものは文字通り「みごと」だが、別のものは「奇妙」だったり「いたずらに巨大」と、そういう形容が似合うものもある。比較的新しめの宗教施設である。

 この街には、神様や仏様がめったやたらと住んでいる。考えてみれば当たり前だ。1000万都市・東京23区だけじゃない。2000万から3000万人が住むともいわれる「首都圏」という名前のこの巨大都市に、それに見合うだけの神々がいないわけがないのである。

 江戸開府以来およそ400年。東京という街は、いまや政治の中心であるだけではなく、経済の中心でもあり、学術の中心であり、信教の中心でもある。

 色々な総本山は、いまや東京にある。この街は宗教都市なのである。

 ま、というわけで、そんな堅いことはいったんおいといて、と。

 まずはペダルを踏んで漕ぎだしてみよう。宗教の海に。宗旨は問わない……。なーんて、宗旨なんて無宗教の私などには到底語れない。ただ外から眺めるだけ。でも、建物を見るだけでも相当面白いよ、宗教は。

 最初に目指すべきは東京タワーだ。なにゆえ東京タワーかというと、ただ単に私の自宅から近いから(笑)

東京タワーのお膝元には……港区麻布台「霊友会」。

 東京タワーに上る前に芝公園を行くと、まずは大メジャーな巨大宗教施設が見えてくる。

 もちろん東京で1、2を争うメジャー寺・増上寺のことだ。有名人のお葬式と、関取による節分豆まきで有名だね。正式名で言うなら、浄土宗大本山、増上寺。都営地下鉄の最寄り駅「大門」は、まさに増上寺の大門(総門)があるからこの名なのだ。

増上寺の重要文化財である三解脱門(三門)。駅名にもなった大門(現在はコンクリート製)とはまた別なのだが、これが一番目立つ

 でも、ここはいささかメジャー過ぎ、マトモ過ぎて、つまらない(失礼)。つまらないんで芝公園のどこかに自転車を置いて、東京タワーに上ってみよう。

 上ってみるとあらためて思うけど、東京タワーっていよいよ低くなったなあ。特に大展望台1階からだと「はるか遠くまで見える」とはもはや思えない。近所の高層ビルの屋上の方が高かったりするんだから。

 で、その東京タワーから麓を見ると、おや、あれは何だ? と思える巨大な長方形がある。

【次ページ】 黒光りする巨大ピラミッドがド―――ンと登場!

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