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データで見る、
北京五輪・星野采配の“弱腰” 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byTakao Fujita

posted2008/09/01 00:00

データで見る、北京五輪・星野采配の“弱腰”<Number Web> photograph by Takao Fujita

 北京オリンピックの野球はシドニー五輪(00年)に次ぐメダルなしに終わり、星野仙一監督に猛烈なバッシングの嵐が吹いている。06年に優勝した第1回WBC(ワールドべースボールクラシック)の威光は、今回の4位(4勝5敗)で完全に消え失せたと言っていい。それほど今回の惨敗は日本球界にダメージを与え、他国に付け入るスキを与えた。多くの人がそれぞれ納得のいく分析をしているが、ここでも1つだけ敗因を挙げてみたい。それは星野監督の臆病さを示す具体的な数字である。

● 8/13 キューバ4−2日本 (先発・ダルビッシュ有)4回0/3

○ 8/14 日本6−1台湾 (先発・涌井秀章)6回

○ 8/15 日本6−0オランダ (先発・杉内俊哉)7回

● 8/16 韓国5−3日本 (先発・和田毅)6回2/3

○ 8/18 日本1−0カナダ (先発・成瀬善久)7回

○ 8/19 日本10−0中国 (先発・涌井秀章)7回

● 8/20 アメリカ4−2日本 (先発・ダルビッシュ有)2回

● 8/22 韓国6−2日本 (先発・杉内俊哉)3回2/3

● 8/23 アメリカ8−4日本 (先発・和田毅)2回2/3

 勝った試合と負けた試合で、これほどはっきりした差があるのかと思わされたのが先発投手のイニング数である。ようく見てほしい。負けた試合では1次リーグのアメリカ戦以外はすべて1/3とか2/3という半端な数字がぶら下がっている。アメリカ戦は勝っても負けても準決勝進出が決まっていたので、ゆったりと構えていられたのだろう。しかし、それ以外は心が縮こまり、ランナーが出ればびくびくして継投のタイミングを考える指揮官の姿が想像できる。今回だけのことではない。昨年の12月初旬に行われた北京オリンピック予選でも同じ傾向が出ているのだ。

 フィリピン戦(10対0)の先発涌井が6回、台湾戦(10対2)の先発ダルビッシュが7回、韓国戦(4対3)の成瀬が3回2/3と、やはり韓国戦だけが半端な場面で先発投手が降板している。細かな継投策で韓国の強力打線を“かわしたい”という弱気・臆病さが見えはしないか。先発投手だけに話を絞ったが、攻撃陣にも星野監督の臆病さを示すデータはあると思う。

 もしWBCでも指揮を執るなら、星野監督には適切な人材の選出とともに、先発投手を信じて使う「忍耐力」、さらにリリーフ投手にすべてを託す「覚悟」を持ってもらいたい。国際大会で勝つために最も大切な要因は「胆力」だと思う。それが星野監督には足りない。

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