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セ・リーグ最高の監督は誰?
~得点効率で監督采配を評価する~ 

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田端到

田端到Itaru Tabata

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photograph byNaoya Sanuki

posted2010/02/09 10:30

セ・リーグ最高の監督は誰?~得点効率で監督采配を評価する~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

 昨年の日本シリーズ中継で、強く印象に残っている場面がある。テレビのゲスト解説者として呼ばれていた野村謙二郎・広島新監督の発言だ。

 3回裏、日本ハムの4点リードで巨人の攻撃。無死二塁。ここで野村は「4点差はあるけど、まず1点取りたい。バントもあると思います」とコメントしたのである。

 4点ビハインド。しかも走者一塁ではなく、二塁である。そこで送りバント。

 なるほど、野村新監督はそういう堅い采配を振るうタイプの指揮官なのかと、頭にこびりついて離れない。走者二塁からの送りバントは、成功率が低い上に、ほとんど得点確率を上げないのだが……。

 今シーズンも、3人の新監督がデビューする。野村のほか、横浜の尾花高夫、ロッテの西村徳文。このほか、オリックスの岡田彰布と、楽天のブラウンも新監督ということになるが、両者のキャリアは豊富だ。

監督の采配能力を数値化する「ゲットベース」とは?

 監督采配を数字で評価するにはどうすれば良いのか。

 そのひとつが、チームの打撃成績から「推定得点」を計算して、それを「実得点」と比較する方法である。

 ヒットを何本打った、本塁打を何本打った、ならばこのくらいの得点が生み出されているはずだと、チームの得点効率を調べる。その効率が良ければ、打順のつながりなども含めてベンチワークが的確だったことになる。

 正直に言えば、得点効率の良さがそのまま監督の采配能力を示すとは思わない。効率の良さはあくまでも打線が生み出すものだし、効率が悪くても、野球は相手より1点でも多く取れば勝ちになる。だから、これを監督の能力に当てはめるのは、一種の数字遊びであるというお断りをした上で、先へ進む。

 では、推定得点はどうやって計算するのか。いろんな方法が提案されているが、ここでは「ゲットベース(以下、GB)」という私自身が考案した指標を使う。

 GB=(1.8×単打)+(3.2×二塁打)+(4.4×三塁打)+(5.4×本塁打)+(1.4×四死球)

 GBR(推定得点)=GB×0.16

 式の説明は本稿の末尾に付けておくので、興味のある人だけ読んでください。

 この指標には、犠打や盗塁などの戦術的なスタッツを敢えて入れてない。それらを除いた上で推定得点を計算し、犠打や盗塁などのベンチワークが加わった結果の実得点と比較してみようという意図もある。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  チーム成績と連動する得点効率。ダントツは落合中日。

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