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新潟大がワセダを撃破!
セブンズで起きた大波乱。
~大学7人制ラグビーに見た光明~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2011/05/30 06:00

新潟大がワセダを撃破!セブンズで起きた大波乱。~大学7人制ラグビーに見た光明~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

増田主将はこの活躍が評価され7人制日本代表候補入り。合宿では体幹の強さに高い評価

 セブンズでは何が起きてもおかしくない。7人制ラグビーでは使い古されているセリフだが、これほど痛感させられたのは初めてかも知れない。

 5月8日、秩父宮で行なわれた東日本大学セブンズ。5年後の五輪を睨めば、大学生はまさに中核を担う世代。3連覇に挑んだ東海大に、竹中祥(桐蔭学園)、水上彰太(東福岡)、山下一(長崎北)ら有望新人を獲得した筑波大が2点差まで肉薄した決勝は見応えがあった。

 しかしビッグニュースは意外なところで発生した。1回戦敗者によるコンソレーション戦の準決勝で、完全ノーマークの国立大、新潟大学が、高校日本代表経験のエリートをズラリ並べた早大を24-14でやっつけてしまったのだ!

「自分たちもビックリしてます。大変なことをしてしまった」

 群馬・前橋高時代は「県選抜候補の経験もなかった」という新潟大の増田宇宏主将は、大勢の記者に囲まれ、少し戸惑い気味に頭をかいた。

「ワセダのメンバー表を見たときは、正直『ヤバイ』と思いました。でもグラウンドに立ったら同じ大学生だし、気持ちだけは負けるな! とみんなに言って。7人制の練習は2日しかできなかったから、開き直って15人制と同じ戦法で」

セブンズのセオリーを裏切るスタイルで主力を温存した早大を翻弄。

 思い切り前へ出るディフェンス。ブレイクダウンでのファイト。さらにハイパントとモールで前進……セブンズのセオリーを裏切るスタイルは、決勝に向けて主将の山下昂大、副将の井口剛志を温存した早大を混乱に陥れた。そして、普段なら赤黒軍団を全面的にサポートする観衆も、この日は新潟大を圧倒的に支持。

「ワセダを相手に、何で自分たちを応援してくれるのかフシギだった」と増田は首を捻って苦笑い。一方、途中出場で流れを変えられなかった早大の井口副将は、「相手を格下と思ってしまった。リスペクトしていれば、リードされても逆境を楽しめるはずなのに」と唇を噛んだ。

 まったく、セブンズは何が起こってもおかしくない。

「だから、日本が世界一になっても全然おかしくないんですよ」と、7人制日本代表コーチでもある岩渕健輔・日本協会ハイパフォーマンスマネージャーは笑顔で話す。確かに、新潟大が早大に勝つよりは、可能性が高い気がするなあ。

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