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“母国”開催のW杯に胸躍る、
逆輸入SO小野晃征。
~ラグビー日本代表復帰なるか!?~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2011/06/26 08:00

東芝との強化試合(11日)に出場した小野。22日の対マールボロ地区代表戦に勝利した日本A代表はこの後、タスマン州代表、ノースカンタベリー地区代表との試合を予定している

東芝との強化試合(11日)に出場した小野。22日の対マールボロ地区代表戦に勝利した日本A代表はこの後、タスマン州代表、ノースカンタベリー地区代表との試合を予定している

「年上の選手もいるけれど、トップリーグのキャップ数だったらこのチームでも多い方だし。経験を積んできた分、リーダーの役目も果たさなきゃいけないですね」

 NZへの遠征を控えた日本A代表の出発直前合宿。童顔の司令塔が発する言葉には風格が漂っていた。

 小野晃征。名古屋で生まれ、3歳のときに家族でNZへ移住。ラグビー王国でも最強と呼ばれるカンタベリーでU-10からU-19まで各年代の代表に選ばれ、将来を期待された少年が、日本代表の救世主として呼び戻されたのは4年前の'07年、19歳のときだった。フランスW杯を前に、就任したばかりのJKことジョン・カーワンHCが日本代表に抜擢したのである。20歳で迎えた半年後のW杯ではオーストラリア戦で80分フル出場。PGによるW杯初得点も決めた。

 それから4年、小野の名は日本代表から消えていた。しかし、若き逆輸入SOは、着実にキャリアを重ねていたのだ。日本なら大学2年に当たる20歳でトップリーグにデビュー。無名選手がほとんどながら工夫と運動量で勝負するサニックスの司令塔として、加入2年目から3年連続でリーグ戦全試合出場。降格争いの常連だった雑草軍団を、プレーオフ進出を争うトップチームに変貌させた。

FW最年長の28歳、LO谷口智昭もW杯代表選出を諦めない。

 今年のW杯は『母国』NZで開かれる。「ずっと(代表には)呼ばれてなかったから、今年のW杯は正直、イメージしてなかった。ゆっくりテレビで見るつもりでいました」と苦笑するが、代表予備軍のA代表とはいえ、4年ぶりに着る桜のジャージーに、胸は高鳴る。

「このツアー、最高ですね(笑)。地元(クライストチャーチ)の近くでも試合があるし、NZから日本に来て、違うラグビースタイルの中で4年間やってきて、どれだけ自分が成長したかを示すチャンス。遠征のビデオはJKも見てくれるだろうから、自分の役目をひとつひとつこなしていけば、代表に選ばれるチャンスも出てくるだろうし」

 FW最年長の28歳、LO谷口智昭も「0.1%でも、まだW杯の可能性はあると思うし、諦めちゃダメ」と自らを奮い立たせる。W杯開幕3カ月前のラグビー王国に乗り込む、個性も経歴もさまざまな日本A。活躍の報を待とう。

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