1月11日、マーク・マグワイアが現役時代にステロイドを使用していたと告白した。
2005年に下院に証人喚問された際、「過去について話す気はありません」と「黙秘権」を行使。全米のひんしゅくを買ってから5年目の「遅すぎる」告白だった。
1998年、ロジャー・マリスのシーズン最多本塁打記録61本を破って「70本」という驚異的記録を達成し、1994年のスト以後落ち込んでいたMLB人気を復興させる救世主となったマグワイア。
私も、サミー・ソーサとの本塁打競演を一生懸命応援したファンの一人だったが、当時、こぶしで胸をたたいて自らの記録達成を誇示した姿と、今回泣き声で告白、謝罪した姿との落差はあまりにも大きく、見ていて気の毒になるほどだった。
告白のきっかけは、打撃コーチ就任が決まったこと。
告白のきっかけは、カージナルスの打撃コーチに就任したこと。球界復帰に当たって薬剤問題に「けじめ」をつける必要があったのである。
しかも、今回の「けじめ」、周到に用意された脚本の下に行われたものだった。脚本を書いたとされるのは、ブッシュ政権でホワイトハウス報道官を務めたアリ・フライシャー。いまは、クライシス・マネジメントの企業を経営しており、世論操作・メディア対策についてはプロ中のプロである。
フライシャーが書いた脚本は、まずAP通信宛に「告白」声明を送りつけ、直後に、ニューヨークタイムズ、USAトゥデイ、MLB ネットワーク、ESPN……等、主要メディア相手の個別インタビューに立て続けに応じる「電撃作戦」。
短期間にインタビューを集中、一気に終止符を打つことをねらったのだが、カージナルスもマグワイアも、キャンプが始まった後も薬剤問題が尾を引くことを何よりも避けたかったからに他ならない。
謝罪はしたが嘘や矛盾が目立つ告白内容。
さて、今回の告白への反響だが、「謝罪」したこと自体は好意的に受け止められているものの、事実関係や使用意図の説明については「矛盾や嘘」が目立ち、評判が悪い。
たとえば、マグワイアは「使用した薬剤の名も覚えていないし、使用した量もごく少量」と説明した。しかし、1990年代にマグワイア等への薬剤供給ルートを調査した元FBI捜査官によると、マグワイアが入手したステロイドは馬に使用するための獣医用製剤。「シリアス・ユーザー」しか使わないものだった。
さらに、使用目的について「怪我からの回復を早めるためでパワーアップのためではなかった」とした上で、自らの記録については「ステロイドを使っていなくても達成できた」と、言い張った。
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