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センバツを盛り上げた
エースの頂上決戦。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byHideki Sugiyama

posted2009/04/08 07:01

センバツを盛り上げたエースの頂上決戦。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

 ドラフト1位同士が投げ合った決勝戦は意外と少ない。

◇80年春=帝京・伊東昭光(85年ヤクルト1位)対高知商・中西清起(83年阪神1位)

◇80年夏=横浜・愛甲猛(80年ロッテ1位)対早実・荒木大輔(82年ヤクルト1位)

◇98年春=横浜・松坂大輔(98年西武1位)対関大一・久保康友(04年ロッテ自由枠)

 以上、3例があるのみだ。2010年には斎藤佑樹(早大・投手)が1位指名されることが確実だから、06年夏の駒大苫小牧・田中将大(06年楽天ドラフト1位)対早実・斎藤佑樹(10年ドラフト1位?)もここに加わるだろう。

 それにしても少ない。そんな希少例の1つに今春の<清峰・今村猛対花巻東・菊池雄星>は加わるだろう。そして、もし2人が寄り道をせず高校卒業と同時にプロ入りすれば、史上初となる同年ドラフト1位同士の対決になる。その可能性は非常に高いと言っていいと思う。

 2人の頂上対決ほど今センバツの特徴を表しているものはない。つまり「投高打低」現象である。戦前、打者で最も高い評価を得ていたのは2年生の勧野甲輝(PL学園・左翼手)だった。斎藤人気で沸騰する来年のドラフトは高校生も豊作と言われていて、その代表選手が勧野だったが、力自慢の選手にありがちな利き手主体のバッティングが仇となり、凡ゴロ、凡フライを量産してしまった。

PL勧野の不調で、他のスター候補は?

 1回戦で勧野と同じ悪癖が見られながら、2回戦以降立て直したのが堂林翔太(中京大中京)だ。1、2回戦はレフト方向の打球が多かったが、敗れた準々決勝の報徳学園戦は右中間二塁打、中越え二塁打、右前打とセンターからライト方向に打球を集中させ、引き手主導のバッティングの冴えを見せつけた。しかし、堂林以外でドラフト上位指名を予感させる選手は1人もおらず、それが「投高打低」と言われる原因になってしまったのは残念である。

 投手で今村、菊池以外に目立った選手は下沖勇樹(光星学院)、白村明弘(慶応)、岩本輝(南陽工2年)、秋山拓巳(西条)の4人。岩本以外は1回戦で敗退しているので、彼らには夏の捲土重来を期待したい。最後に今センバツ大会のベストナインをドラフト的視点も加味して選んでみることにしよう。

◇右投手・今村猛(清峰)、◇左投手・菊池雄星(花巻東)、◇捕手・山下斐紹(習志野2年)、◇一塁手・山嵜健太郎(清峰)、◇二塁手・柏葉康貴(花巻東)、◇三塁手・糸原健斗(開星2年)、◇遊撃手・瀧野光太朗(今治西)、◇外野手3人・堂林翔太(中京大中京)、平井徹(明豊)、土井大樹(開星)

 堂林は2年時に守ることが多かった外野手として選出した。

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