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大関陣の不甲斐なさを示す
意外な数字。
~カド番大関・千代大海らの罪~ 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

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photograph byJMPA

posted2009/05/22 06:01

大関陣の不甲斐なさを示す意外な数字。~カド番大関・千代大海らの罪~<Number Web> photograph by JMPA

 横綱に次ぐ階級であり、大相撲の屋台骨を支える立場の「大関」という地位。終盤まで優勝争いに絡み、場所を盛り上げる大役を担う大関陣の最近の凋落ぶりには、目を覆うばかりである。

 古書によれば、室町時代の強豪力士を「関」と称し、相手を全て破ることを「関を取る」といった。ここから関取という敬称が生まれ、大関とはこの関取のうち最も強い力士に大の字を付けたものであり、かつては相撲界の最高の地位であった。ちなみに英語で大関はチャンピオンと表されるが、今の大関陣にその面影は全く見られない。

最近3場所の大関陣は、1場所平均7勝しかしていない!

 その惨状を示す数字がある。最近3場所の5大関の総成績は、210戦100勝。何と1場所平均は7勝をわずかに上回る程度で勝ち越しには遠く及ばない。2桁勝利は琴欧洲が2場所、日馬富士が1場所残したが、それも10勝止まり。入れ替わりでカド番を迎える昨今の大関陣には、一昔前の「クンロク(9勝6敗)大関」なる陰口すら聞かれなくなった。

 千代大海は、今場所を史上最多13回目のカド番で迎えた。大関在位丸10年を超えた千代大海は、先場所、大関の皆勤場所での史上ワーストとなる13敗を記録。場所後に左脇腹肋骨の骨折や、昨年春場所から患っていた糖尿病の悪化を明らかにし、「俺みたいにならないようにしてもらえれば」と自虐的に話したが、やんちゃ相撲が売りの大関が口にするにはあまりにも寂しすぎる発言だった。

 また、いまだ絶大な人気を誇る魁皇は、満足な稽古もままならない状態からぶっつけ本番での本場所の連続。大関在位も丸9年近くで、カド番は12回。豪快な取り口が売りの力士が恐る恐る取る相撲では、ファンも興ざめに違いない。

 琴光喜も春場所で初のカド番を体験し、日馬富士、琴欧洲も取りこぼしが多く優勝争いから早々に脱落する場所が続いている。

死語となった「横綱大関安泰」の言葉。

 あまりの大関陣の不甲斐なさに横綱審議委員会からは「累積5回のカド番で降格や引退勧告」なる具体案まで飛び出したが、白鵬と朝青龍の両横綱頼みの現状を危惧しての苦渋の注文であることは言うまでもない。

 今や死語となりつつある「横綱大関安泰」の言葉。各大関が地位の重みを再認識し、せめて総崩れだけは勘弁願いたい。

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