SCORE CARDBACK NUMBER

対照的な2人の新十両、
双大竜と徳真鵬への期待。 

text by

服部祐兒

服部祐兒Yuji Hattori

PROFILE

photograph byKYODO

posted2009/09/21 08:00

対照的な2人の新十両、双大竜と徳真鵬への期待。<Number Web> photograph by KYODO

 場所、体格も出世街道も対照的な2人の大学相撲出身力士が、共に新十両として土俵に上がる。

暴行死事件を乗り越えた苦労人、双大竜。

 まずは、先場所西幕下筆頭で6勝1敗、文句なしの昇進を決めた双大竜(そうたいりゅう)27歳。179cm、114kgの細身で筋肉質。押しに徹し、厳しい立合い、素早い動きの中から勝機を見いだす嗅覚は一級品である。

 双大竜は東京農業大学出身で、大学4年生の春に腹膜炎を患い、1年を棒に振った。その無念さを晴らそうと飛び込んだ時津風部屋では、順調に幕下まで番付を上げるも、しばらくは低迷が続いた。2年前には部屋で暴行死事件が発生。弟弟子を失い、高校・大学の先輩らが逮捕されたショックで、一時は引退の危機にも瀕した。しかし、事件で有罪判決を受けた後輩からの「自分の分もがんばって関取になって欲しい」との言葉に、双大竜は失いかけていた土俵への情熱を取り戻した。昨年9月場所から6場所連続勝ち越しで掴んだ関取の切符。事件後、部屋の力士たちは次々としこ名を改名したが、「いいときも悪いときもこのしこ名だった。偉大な横綱(双葉山)の1文字をもらったと思えばいい」と、改名せずに新十両の土俵に立つことにした。苦労を乗り越えた男の逞しさを存分に発揮して欲しい。

山本山との対決が楽しみな220kgの超巨漢、徳真鵬。

 続いては、先場所西幕下2枚目で4勝3敗、滑り込みで昇進が叶った徳真鵬(とくしんほう/写真)、25歳。192cm、220kgの超巨漢。立合いからどんどん前に出て、圧力をかけての突き押し攻撃は、破壊力十分である。

 徳真鵬は朝日大学出身。高校時代は柔道部に所属し、本格的に相撲を始めたのは大学から。その頃は強豪校の選手に歯が立たなかったが、入門後の熱心な稽古で身体も相撲もスケールアップ、まさに大化けした。所要15場所での関取昇進は、おそらく自分でもびっくりだろう。師匠の木瀬親方は締め込みの色を、大きな相撲で沸かせて欲しいという期待を込めて、「大木のように見える」緑色に決めた。

 入門以来とんとん拍子で番付を駆け上がってきた徳真鵬は怖さ知らず。「学生時代に勝てなかった人たちに、どのくらい通じるようになったか試したい」とリベンジに燃える。標的の1人、怪我で十両に下がった山本山(日本大学出身)との和製巨漢激突は、大きな話題となるに違いない。

■関連コラム► ファンを取り戻すため日本人勢に期待すること。 (2009年1月16日)
► 危機の中で現れた、個性派力士、山本山。(2008年10月23日)

関連キーワード
徳真鵬
双大竜
山本山

ページトップ