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子供の頃からK-1!HIROYA世代登場。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2007/05/31 00:00

子供の頃からK-1!HIROYA世代登場。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 キーワードは14、15歳。近頃、リングスポーツの世界では15歳前後の台頭が目ざましい。K-1のHIROYAや亀田兄弟の三男・和毅がいい例だ。彼らはいずれも15歳で、今春中学を卒業したばかり。今年に入ってからK-1で2戦2勝のHIROYAは4月中旬に訪タイ。現地のインターナショナル・ハイスクールに通いながら、ムエタイの名門ゲオサムリットジムで修行するという文武両道の道を選んだ。

 一般的にタイのインターナショナル・スクールは上流階級の子弟が通う学校として知られている。対照的にムエタイのジムは貧困層出身の10代が多い。両極端の環境に身を置くことで、HIROYAは人としての幅を広げようとしているのだろうか。現段階では人気先行の感が強いHIROYAだが、“金の卵”であることは事実。この逸材を生かすか殺すかは異国での本人の精進とともに、K-1のマッチメーク手腕にかかっている。

 かわいい格闘家には旅をさせろ。去る5月1日にはタイで元空手の全日本王者で15歳の奥本貴之がプロボクサーとしてデビューを果たした。日本では17歳にならないとプロライセンスを取得できない。しかしタイなら15歳でもOK。そこで奥本は日本のリングに上がれるようになるまで、タイでキャリアを積み上げる計画を立てたのだ。

 HIROYAや奥本とは対照的に国内で黙々と腕を磨く少年もいる。かつて魔裟斗を育てた加藤重夫・藤ジム会長が「魔裟斗を越える逸材」と期待を寄せている藤鬥嘩裟だ。弱冠14歳の中学3年生ながら、すでにプロのキックボクシングで3戦3勝。去る4月15日は堂々メインイベンターとして判定勝ちを収めた。

 彼らにほぼ共通していえるのは、物心ついた時に初めて目にした格闘技がK-1やPRIDEであること。ボクシングやプロレスに感化されやすかった'60〜'70年代生まれの層とは、この部分が決定的に違う。強さの象徴がボクシングの世界王者や著名プロレスラーではなく、K-1やPRIDEの選手なのだ。HIROYAは魔裟斗に憧れ、K-1を志すようになった。無気力、無感動、礼儀知らずといった現代の負の若者像に明日の王者を目指す彼らを当てはめることはできない。

 夢を抱いた14、15歳は頼もしい。

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