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恋人か旧友か。過熱するジャクソン争奪戦。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2005/03/31 00:00

 「オンリー・イン・ハリウッド」

 映画の街ハリウッド(LA)ならではの、作り話のような信じられない話を聞いた時、アメリカ人たちはそう言って首を振る。

 去年夏にロサンゼルス・レイカーズを去ったフィル・ジャクソンが、再びレイカーズに戻るという話が浮上している。

 去年夏、レイカーズがジャクソンに契約延長をオファーしなかったのは、ジャクソンと不仲だったスター選手、コービー・ブライアントを選んだからだとか、1000万ドル以上とも言われるジャクソンの要求年俸をオーナーのジェリー・バスが出し渋ったからだとも言われている。今でもブライアントはレイカーズの大事なスターで、彼の気持ちは新コーチを決めるときに優先されるだろうし、ジャクソンは去年の夏以上のサラリーを要求してくるはずだ。そういった状況に変わりはない。

 それでも復帰案が浮上してきたのには、いくつか理由がある。ひとつは新コーチ、ルディ・トムジャノビッチが2月、健康上の理由で辞任したこと。そして今季のレイカーズが5割前後の成績で、プレイオフ進出すら危うい状況であること。そのため、負けることが大嫌いなブライアントは、嫌っていたはずのジャクソン復帰に対して前向きなコメントをし始め、バスも「フィルは新コーチの有力候補」と断言している。これに、数年前から続いているジャクソンとバスの娘、ジニーとのロマンスも絡み、まったくもって「オンリー・イン・ハリウッド」な展開なのだ。

 さらに、名将ジャクソンを狙っているのはレイカーズだけではない。ニューヨーク、ポートランド、ミネソタなど、この夏には片手では数え切れないほどのチームがジャクソン獲得に動くと言われている。中でも積極的なのがニューヨーク・ニックス。常に勝者であることを求められる街にありながら、今季は早くもプレイオフ戦線から脱落している。それだけに救世主ジャクソンのためなら契約金は惜しまないと示唆、獲得に熱が入る。ジャクソンにとってもニックスは11年間ユニフォームを着た、思い入れのあるチームだ。

 恋人か旧友か、ハリウッドかブロードウェイか。両チームのジャクソン争奪戦は、この先、シーズンそっちのけで過熱しそうだ。

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