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世代交代の日も近し!?
武豊が認める三浦皇成。 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

posted2008/11/20 00:00

 今年3月にデビューした三浦皇成騎手が、10月25日の福島競馬第1レースで70勝目をあげた。どうってことのない数字のようだが、実は大変な記録。あの武豊騎手が21年前の'87年にデビューしたときに残したのが69勝で、あとにも先にもそれほどの勝ち鞍をあげられるルーキーは存在しなかったからだ。不滅とまで言われた記録を、2カ月も余した時点で抜き去ったのだから、これはすごいことなのである。

 記録達成の前々週、武豊騎手と三浦騎手は東京競馬場で直接対決し、このときは双方が騎乗した9つのレースで、武豊騎手がすべて先着して面目を保った。しかし、このこと自体が当代の第一人者を本気にさせたルーキー、という意味で特筆されるべき。武騎手が三浦騎手の立場だったころ、南井克巳騎手(現調教師)が、「まだまだユタカには負けられない」と、頭から湯気が出るような闘志を燃やして乗っていたことを思い出して懐かしく感じた。

 武騎手も同じような気持ちだったようで、「大したヤツです。周りがよく見えているし、読みもいい。負かしがいがある相手でした」と、心底うれしそうな顔をしていたのが印象深い。すでにライバルとして認知されたと見て間違いない。

 武豊騎手の出現を契機として西高東低の流れが完全に定着した競馬界。現在の東の競馬人のモチベーションの低下は憂慮すべきものとなっており、今年の調教師試験の受験者が西の60人台に対して東は半分の30人台と、その根幹を担うべき仕事に対する夢の分量が、この数字に象徴されていると見ることもできる。

 三浦騎手の出現は、そうした流れまでも変えてしまうぐらいの大きなインパクトを持っている。師匠である河野通文調教師の献身的なバックアップによって、より多くのチャンスをもらったことも事実だろうが、それを生かして自分に引き寄せたのは彼の実力。競馬とは無縁の家庭に育ちながら、小学生のときから騎手になると決めて、そのためだけに努力してきた少年の「競馬力」はまさに本物の迫力として見る者に伝わってくる。

 三浦に乗ってほしい、と夢を膨らませる馬主たちがまた関東に戻ってくる。そして、競馬はもっと面白くなる、と期待している。

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