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牝馬の時代を印象づけた
凱旋門賞の圧勝劇。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYoko Kunihiro

posted2008/10/23 00:00

牝馬の時代を印象づけた凱旋門賞の圧勝劇。<Number Web> photograph by Yoko Kunihiro

 フランス、イギリス、アイルランド、ドイツ、イタリア、そして日本。6カ国の最強馬が集結した世界最高峰の国際レース、第87回凱旋門賞(G1、芝2400m)が、10月5日、フランスのロンシャン競馬場で行われた。

 「日本代表」として乗り込んだのは、フランスでもG1を勝っている名手・武豊を背にしたメイショウサムソン。父オペラハウスは凱旋門賞3着、母の父ダンシングブレーヴは同優勝という「凱旋門賞血統」だ。さらに「突然すごい走りをしたりと『意外性』がある。ディープインパクトでも勝てなかったレースを勝つのは、こういう馬かも」と武豊も手応えを感じていた。8月20日にフランス入りしてから順調に調整され、好走が期待されたのだが──。サムソンは、スタート直後に2度ほど他馬に挟まれ、その都度後方に押しやられる不利が響き、勝ち馬から6馬身ほど離された10着に終わった。

 勝ったのは、1番人気に支持されたフランスの3歳牝馬ザルカヴァだった。前走のヴェルメイユ賞を勝ったことで、'73年アレフランス以来の仏牝馬三冠馬となっていた同馬は、'93年アーバンシー以来15年ぶりの牝馬の凱旋門賞馬となった。やや出遅れ、道中はサムソンのすぐ前という位置取り。直線で、一度はサムソンに前に出られたが、スパートしてからの脚が桁違いだった。馬群を強引にこじあけて抜け出し、2年連続2着となったユームザインに2馬身差をつける圧勝劇。戦績を7戦7勝とし、「世界最強牝馬」の存在感を誇示した。サムソンが不利なく競馬をしていたとしても、4、5着が精一杯だっただろう。舞台がホームであれアウェーであれ、ザルカヴァを負かせる日本馬がいるとしたら、ウオッカとダイワスカーレットの牝馬勢しか思い浮かばない。世界で同時期にこれだけ強い牝馬が出現するのは珍しい。彼女たちの華麗なる戦いを、ぜひ見てみたい。

 もうひとつ注目すべきは、サムソンの次走だ。管理する高橋成忠調教師は、秋の天皇賞(11月2日、東京、芝2000m、GⅠ)に出走させる可能性を示唆している。そこにはウオッカと、今年のダービー馬ディープスカイも参戦する。3世代のダービー馬が激突するのは、おそらく史上初のこと。武豊がどの馬に乗るのかを含めて、見どころたっぷりである。

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