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人気急上昇のアブダビ。日本人は勝てるのか? 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byKoji Fuse

posted2007/05/03 00:00

人気急上昇のアブダビ。日本人は勝てるのか?<Number Web> photograph by Koji Fuse

 サブミッションレスリングをご存じだろうか? 上半身裸、あるいはラッシュガードを身にまとい、関節技や絞め技で勝負を決するニュータイプのレスリングだ。いまや米国西海岸では柔術を凌ぐほどの人気を誇る。

 そんなサブミッションレスリングの最高峰といえば、アブダビコンバットことサブミッションレスリング世界選手権だ。主催者はアラブ首長国連邦のシェイク・タハヌーン王子。大の格闘技好きとして知られる王子は自分で格闘技をやってみたり、格闘技イベントを見るだけでは飽き足らず、ブラジルやアメリカを中心にトップ選手たちに声をかけ、“組み技世界一決定戦”と呼ばれるビッグイベントを定期的に開催するようになった。試合時間の前半はどんなに相手を追い詰めてもノーポイントなのが最大の特徴だ。

 オイルマネーに物をいわせた高額な賞金や賞品も魅力的ながら、世界のビッグネームと手合わせできることも手伝って、第2回大会からは日本からも大挙して選手が参加するようになった。五味隆典、宇野薫、佐藤ルミナ、桜井“マッハ”速人、田村潔司、郷野聡寛、青木真也……。現在日本の総合格闘技界のトップどころのほとんどはアブダビ経験者だ。

 もっとも回を重ねるにつれ、大会のレベルは上がるばかり。過去優勝した日本人選手は第4回大会の88kg未満級を制した菊田早苗しかいない。以前は「交流の場」「一攫千金の舞台」として考えられていたアブダビも、いまやひとつの競技と見なされつつある。組み技系の選手の中にはアブダビで結果を残すことを目標とする選手も出てきた。そうした動きを踏まえ、昨年9月には「ADCC JAPAN」という専門の組織も設立された。

 来る5月4〜6日には米国ニュージャージー州で第7回世界選手権が開催される。それに先がけ4月15日には東京で最終予選が行われ、男女合わせて9階級で熱い攻防が繰り広げられた。総合格闘技ではホームリングの違いからありえない対決もアブダビならあり。88kg未満級では現在UFCで4連勝中の岡見勇信と修斗世界ライトヘビー級王者・山下志功の夢の対決が実現。岡見が判定勝ちを収めた。岡見はオクタゴンとともに、組み技格闘技の頂きも目指す。最大の敵はアブダビで最も結果を残すブラジル勢だ。

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