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スパーズの強さの秘密?対照的な二人の共通点。 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2007/06/28 00:00

 片や空軍士官学校出身で、規律正しく厳格な58歳。片や南の島、バージン諸島セントクロイ島育ちで、マイペースな31歳。サンアントニオ・スパーズのヘッドコーチ、グレッグ・ポポビッチと大黒柱、ティム・ダンカンの二人は一見、まったく対照的にも見える。

 しかしNBAファイナル中のお互いに関するコメントを聞いているうちに、意外なほど多くの共通点が見えてきた。

 「彼のことであまり知られていないのは、優しくまわりの人間にたいして感情移入をする性格、そしてユーモア感覚を持っていることだ。そういったものを備えているからこそ、彼は特別なのだと思う」

 「正直言って、彼はあまり注目されていない状態が好きなのだと思う。個人的には彼は歴史上の誰にも負けないくらいすばらしいと思うけれど、そのことは彼にはどうでもいいことなんだ」

 前者はポポビッチがダンカンについて語ったコメントで、後者はダンカンがポポビッチについて語ったコメントなのだが、それが逆でもそのままお互いに当てはまるのだから不思議だ。

 二人とも実質的で、まわりからの賞賛よりも自分自身で満足できる結果を求め、そのために“退屈”と見られることも多い。その一方で、親しい者だけの内輪ではジョーク好きで、まわりに対して気遣いをする優しい一面を見せる。二人とも実力派だが、相応の評価をされないことも多い。こうやってあげてみると、二人の性格がそのままスパーズというチームの特徴になっていることにも気付く。

 1997年にダンカンがスパーズに入ってから10年、他の選手やアシスタントコーチが入れ替わる中で不変なのは、ポポビッチがヘッドコーチでダンカンが中心選手だということだ。そしてその間に、二人はコーチと選手というだけでなく、まるで父と子、親友のような関係を築き、スパーズのチームカラーを作ってきた。そして、何よりもどこにも負けない強豪チームを作り上げてきた。

 今のスパーズは“王朝”と呼んでいいのではないかという問いかけに、ダンカンは「後から振り返ったときにそう思われているようなチームになっていたいが、今の時点ではそこまでは考えられない」と答えた。これも、いかにもポポビッチが言いそうなことではないか。

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