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開催中止に日程変更で
どうなる? 春のクラシック。
~3歳牡馬は大混戦のまま皐月賞へ~
 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byKiichi Yamamoto

posted2011/04/14 06:00

スプリングSを勝ったオルフェーヴル。池添騎手は「完璧」と評価

スプリングSを勝ったオルフェーヴル。池添騎手は「完璧」と評価

 中央競馬は、被災地福島の開催中止をいち早く決め、皐月賞を含む中山の開催についても安全確保が難しいことを理由に中止とした。しかし西日本地区の開催は震災の翌週から「被災地支援競馬」として行なう積極策を選択。内部でも賛否両論割れたそうだから、非常に難しい判断ではあったはずだ。馬券の売り上げから一定の割合の金額を義援金として被災地に拠出する「復興競馬」とするのが望ましかったわけだが、それには法的手続きが必要で3カ月ほどの時間がかかるのだという。堅苦しいものだ。

 競馬の根幹を成すクラシックレースだって、「すべて中止にならなくてよかった」という関係者の安堵はまさに本音。この国難のさなかだけにどう開催すべきかは情勢次第で今後も柔軟に考えなければいけない。

 桜花賞は予定通り兵庫県の阪神競馬場で行われたが、皐月賞は1週延期して4月24日に東京競馬場で開催されることになった。しかし、それも「同日の京都に変更もありえます」のアナウンス付き。物的な被害はほとんどなかった東京競馬場だが、計画停電が実行されている地域で数万人規模が集まるイベントが滞りなくできるかどうか。その見極めの難しさを物語っている。

茨城・美浦トレセンは一時断水に見舞われたが……。

 競走馬たちは、放牧中の馬も含めて1頭の犠牲を出すこともなく元気に調教に励むことができている。茨城県の美浦トレセンの在厩馬は一時断水に見舞われたが、井戸水で急場をしのぎ、無事に平常に戻った。放射性物質という見えない敵との戦いは長丁場になりそうだが、逆境のいまこそが踏ん張り時だ。

 3歳牡馬の頂点を極める戦いは、いまだ中心馬が見えない大混戦を引きずったままだ。 毎日杯まで消化した時点で、重賞を2勝しているのは、最優秀2歳牡馬に輝いたグランプリボス(栗東・矢作芳人厩舎)と、サダムパテック(栗東・西園正都厩舎)、レッドデイヴィス(栗東・音無秀孝厩舎)の3頭。ただ、一番強そうなレッドはセン馬(去勢された馬)であるためにクラシックの出走権がなく、グランプリは明らかにマイラー。サダムにしても完成度の高さを拠り所としてトップグループにいる印象が強く、今後も安全圏に居続けられるとは思わないほうがいい。不利な状況の関東勢だって、共同通信杯を勝ったナカヤマナイト(美浦・二ノ宮敬宇厩舎)を代表格として虎視眈々。勝機もたっぷりと残されていよう。

<次ページへ続く>

【次ページ】 レーヴディソールの骨折で平穏ムード一変の牝馬戦線。

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