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ランキング制導入で問われる全柔連の姿勢。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph bySugiyama/JMPA

posted2009/01/16 00:00

ランキング制導入で問われる全柔連の姿勢。<Number Web> photograph by Sugiyama/JMPA

 今年から世界の柔道界に導入されるランキング制によって、全日本柔道連盟の姿勢があらためて問われる。

 ランキング制を簡単に説明すると、このような形式となる。

 国際大会の成績に応じて選手はポイントが与えられ、男子は世界の上位22名、女子14名が五輪出場権を獲得。ランキング内に同一国の選手が複数入っても五輪に出場できるのは国ごとに1名。

 ポイントが最も大きいのは五輪を除けば世界選手権で優勝ポイントは500点。次いで新設のマスターズが400点。その下に「グランドスラム」と位置づけるフランス、ロシア、ブラジル国際と嘉納治五郎杯が300点。グランプリ、W杯、各大陸選手権もポイントの対象大会となる。2位は優勝得点の60%、3位は40%……と、ポイントが与えられる。

 また、年ごとにランキングに反映されるポイントの割合が変わる。2012年のロンドン五輪を基準にすると、'12年4月末までの直前の1年間は獲得ポイントの100%、その前年は75%、前々年は50%となる。

 新制度について選手の反応は様々だ。出場大会を絞って五輪にあわせてきたベテランは渋い表情を浮かべがちだ。一方、63kg級の上野順恵が「歓迎です」と言うように、代表選考大会で好成績を残しても五輪代表になれなかった選手は基準が明確になると喜ぶ。

 だが本当に明確になるかはわからない。五輪出場権を持つ選手が同一国で複数人いる場合は、その国の裁量に任されるが、全日本柔道連盟はランキング、実績、国内選考会の結果を踏まえ代表を決める方針だ。これらの要素が一致しない場合は十分ありえる。国際大会への派遣選手の決定に関しても、曖昧さを感じさせる現実がある。例えば、8月の世界選手権の代表選考に重要な意味をもつグランドスラムのフランス国際は2月7日から始まるが、48kg級には谷亮子が出場する。谷本人の希望を受けてのことだ。'08年11月の講道館杯、12月の嘉納杯を戦ってきた同級の山岸絵美、福見友子には、北京五輪後欠場していた谷の出場には複雑な思いがあるのではないか。

 ランキングという明確な基準が一つ加わるだけに、代表選考についての全日本柔道連盟の説明責任はより大きくなる。

■関連コラム► ママでも金、負けても金?主観重視の代表選考。 (2008年5月1日)
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