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次世代ジャパンの担い手は誰か。 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byShinsuke Ida

posted2004/07/29 00:00

次世代ジャパンの担い手は誰か。<Number Web> photograph by Shinsuke Ida

 秋の遠征に向け、もう一度自分の足と目で選手を見て、私の考えるジャパンのラグビーをやれる戦力を整えたい」。7月4日のイタリア戦に敗れた後、日本代表の萩本監督は話した。「できれば20〜24歳の若手を発掘したいけど、いきなり若返るのは無理がある。だから元木のようにグラウンドで引っ張ってくれる人物は残して、一緒にプレーさせることで引き継ぎをしていきたいんです」。カナダ戦で衝撃のデビューを飾った20歳の森田恭平、テストマッチ出場機会こそなかったがグラウンド内外で元木と濃密に接した22歳のCTB霜村誠一らは、まさにそうして成長している。では、次に萩本監督の目に留まる新星候補は誰だろう?

 春の大学ラグビーの話題をさらったのは早大だ。慶法明同をすべて大破し、関東学院大との“春の大一番”も52対21で圧勝。その強さを支えるのがルーキー陣だ。中でも120kgの体重を活かした突破力と、飛ばしパスも操る器用さを併せ持つ畠山健介(仙台育英)は、日本ラグビー界待望の万能プロップ候補だ。スピードとステップ、キックとすべてにスケールが大きいFB五郎丸歩(佐賀工)、攻と守、密集とラインの裏……ゲームのあらゆる局面で働くFL権丈太郎(筑紫)との1年生トリオは、秋の大学戦線どころか国際試合を早く経験させたいダイヤモンドの原石。早大にはさらに高校代表豪州遠征を主将として全勝に導いたLO寺廻健太(正智深谷)、花園優勝キャプテンのFL有田幸平(啓光学園)が控え、夏にはケガから復帰しそうだ。まったくため息の出る豪華な陣容である。

 一方の関東。ラグビー界の若き至宝・FB有賀剛は日本代表に呼ばれたのだが、残念ながら春口監督が断ってしまった。主力がごっそり抜けたチーム事情は察するが、監督たる者「行って来い」と送り出してほしかった。

 有賀だけでなく、優れた選手は皆、高校や中学、少年ラグビースクールの無数の指導者、選手仲間や家族が育て、本人の才能と努力が揃って誕生した。その誰もが共有してきた夢は、何より日本代表での活躍。「クラブの一番の名誉は、選手を代表に送り出すことなんだ」。'95年の南アで、Uー19ナタール州代表のまだ童顔の少年に聞いた言葉だ。関東だけでなく、好素材を得た早大などすべての大学・社会人チーム関係者に、この言葉を捧げる。

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