「のど元過ぎても熱さを忘れてはならない」――それが今回のコラムのテーマだが、まず、その前提から書くことにする。
今回の東日本大震災による開幕問題で、球界は3つの問題への対応を迫られた。
(1)震災で本拠地球場であるクリネックススタジアム宮城が損傷し、選手の家族なども被災した楽天の試合を、予定通りの日程で行なえるかどうか。
(2)国難ともいえる非常事態の最中に、野球をやることの是非。
(3)東北、東京電力管内での深刻な電力不足への対応。
所属球団に楽天を抱えるパ・リーグは、(1)・(2)の問題で、早々に3月25日の開幕は物理的に不可能と判断。その後の日程再編を考慮した結果、各チームの対戦が一回りする5カード分を中止して4月12日の開幕を決定した(4月12日という開幕日の“科学的根拠”は、この日程再編にあるわけだ)。
一方のセ・リーグは物理的な被害を大きく受けた球団はなかったので(1)は関係がなかった。
(2)に関しては「いろいろな考え方があるが、野球をやって勇気を伝えることも必要」「批判は覚悟の上。被災者の気持ちはわかるが、野球人ができるのは野球しかない。その責務を果たす」(巨人・清武英利代表)3月25日開幕を主張。
その後、(3)の問題で文部科学省からナイター自粛要請を受け、4月3日までのナイター自粛、東京ドームなどの節電対策などを行なうことで、当初より4日遅れの3月29日開幕に変更した。
いま球界にできることは、野球をやって復興を後押しすること。
こうした球団側の動きの中で、楽天の選手を抱える選手会は(1)と(2)からパ・リーグの開幕延期を支持、(2)と(3)からセ・リーグの開幕案の再考を求めた。
最終的には3月22日に加藤良三コミッショナーら関係者が関係各省と折衝。席上、セ・リーグの3月29日開幕案には、(3)の理由から「国民の理解は得られない。4日延ばす科学的根拠は何か?」(蓮舫節電啓発相)とダメだしされて、4・12セ・パ同時開幕へと落ち着くことになる。
ここで思うのは、まず(1)は直接的な被害を受けた楽天を抱えるパ・リーグの判断は当然だったということ。
一方、(2)に関しては前回のこのコラム(「勇気ではなく義援金を! 球界が果たすべき、本当の復興支援」3月19日)で書いたように、今は言葉ではなく実で動くべきときで、むしろいま球界がやれることは、経済を止めず、野球をやって継続的な被災地への支援体制を作るべきであるということ。
そして(3)に関しては、当該地区でのナイター開催は社会的には受け入れられない。デーゲームと他地区での開催など配慮が必要だということだ。
この前提で4月6日にNPBが発表した再編日程を見た。
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