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「4倍ノック」で急成長、
浅村栄斗にブレイクの兆し。
~西武の名伯楽・土井コーチの下で~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2011/04/09 08:00

「4倍ノック」で急成長、浅村栄斗にブレイクの兆し。~西武の名伯楽・土井コーチの下で~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

オープン戦では2本塁打を記録。持ち前の長打力に磨きをかけ、開幕スタメン入りを狙う

 4月12日・13日に西武ドームで行なわれる予定だった西武対日本ハム戦は、震災の影響で開催地が札幌ドームに変更された。主催が逆になったとはいえ、本来と同じカードである。

「節電で西武ドームを使用できないなら、札幌ドームでやればいい」というパ・リーグの「臨機応変の発想」は、西武が今季目指す戦い方に似ているな、とふと思った。

「片岡易之、中島裕之、中村剛也ら選手は揃っているが、全員が1年間フル出場することは難しい。誰かは故障すると思う。その時のために彼らと遜色ない選手を育てるのが私の役割」と今季の西武内野陣を評していたのは、球界最年長コーチの土井正博。そして「それにうってつけの一人」として名前を挙げたのが、入団3年目を迎えた浅村栄斗(ひでと)だった。

 かつて清原和博を育て上げた名伯楽は、中島を松井稼頭央の後釜に育てるためにいつも監督に頭を下げて頼み込んでいた。

「彼は必ず恩返しをしますので、今は我慢して使い続けてください」

「片岡の状態次第では1番を任せることもある」と渡辺監督。

 しかし浅村の場合は、すでに十分に通用する力を持っていると言う。

「手元まで引き込んで下半身主導で振りぬく。これは下半身をしっかりつくっていないとできない。浅村はわずか3年目でできている」

 強靭な下半身は守備ノックの賜物でもある。昨年の秋季練習から、どんなポジションでもこなせるように内野の守備練習に取り組んできた。

「4つのポジションを守るために4倍のノックを受けました」と本人も手応えを感じているようだ。

 その成果はオープン戦で出た。片岡の代役で二塁を守り、その後、ショート、三塁もこなし、「フェルナンデス次第では開幕一塁スタメンも十分ある」と土井コーチに言わしめるまでに成長したのだ。

 打撃も好調で、オープン戦では34打数15安打、打率4割4分1厘を記録。

「同じ関西人だから、阿吽の呼吸でどこまで喋ったらいいか分かるからやり易い」

 と笑う土井コーチは、清原、中島を育てた時と同様に、キャンプ中から関西弁を炸裂させている。

「片岡の状態次第では1番を任せることもある」と渡辺久信監督の信頼も勝ち取りつつある三拍子揃った若手が、今季の意外な主役になるかもしれない。

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