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コービーが足下で示したさらなる挑戦への姿勢。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2009/01/16 00:00

 ハイカットか、ローカットか。水着のデザインではなくバスケットボール・シューズの話だ。

 コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ)が12月に彼のシグニチャー・モデルのシューズ、ズームコービー4を発表したのだが、これが最近の常識を無視したローカット・モデルだということで話題を呼んでいる。

 現在、NBA選手の間で主流なのは、足首を覆うハイカットか、くるぶし上までのミッドカット。足首が保護されないローカットを履いてのプレーは捻挫の危険が高いと言われ、試合で履く選手は少ない。ブライアントの新シューズに対しても「話題づくりのための危険な賭け」と警告する人もいるほどだ。

 もともと、ブライアントがローカットにと希望したのは、シューズを少しでも軽くして、できるだけ素足に近い感覚でプレーしたいという希望からだった。

 「軽いというだけで、いつもより速く動けるし、高く跳ぶことができる」とブライアントは言う。大好きなサッカーの試合を見ていて、ローカットのシューズで左右自由自在に動き回る様子からヒントを得たのだという。

 ローカットは捻挫しやすいという批判には「ハイカットでも捻挫するときはするのだから同じ」と反論する。その裏では、何カ月も前から足首強化のためのトレーニングをしてローカットの準備をしてきたという証言もある。単なる思いつきではないのだ。

 たかがシューズと言うなかれ。バスケットボール選手が唯一身に着ける“道具”であり、しかも選手個人の自由になるのだから、選手のこだわりは大きい。そして、それだけに選手のプレーに対する姿勢もうかがい知ることができる。

 それにしても、ブライアントはこれまでミッドカットやハイカットのシューズを履き、リーグのトッププレイヤーとなり、昨季はリーグMVPも獲得している。それだけ成功しているのに、なぜあえて変える必要があるのだろうか。そう聞かれたブライアントは、こう答えた。

 「さらに上を目指したいからだ」

 シンプルな答えだが、この姿勢こそが、ブライアントが頂点を極め、そして競争が激しいNBA界の頂点に立ち続けている一番の理由なのではないだろうか。

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