SCORE CARDBACK NUMBER

新人早明戦の大差を
どう受け止めるか。
~「96対0」で紫紺軍団復活!?~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

PROFILE

photograph byNobuhiko Otomo

posted2009/06/24 06:00

新人早明戦の大差をどう受け止めるか。~「96対0」で紫紺軍団復活!?~<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

 ゴール裏に置かれた得点表示板には、残ったスコアを携帯カメラに収めるファンで人だかりができた。

 6月3日。早大・上井草グラウンドで行なわれた早明1年生試合には、平日ながら約500人のファンが集結。明大には、昨季の花園を制した常翔啓光学園のWTB国定周央、昨夏の高校日本代表で主将を務めた東福岡CTB猿楽直希ら期待の新人が大量に加わり、早大も東福岡のPR上田竜太郎、国学院久我山のSO黒澤健ら逸材を精力的に補強。しかも新人早明は3年ぶりの実現とあって注目の一戦となったが、試合は一方的だった。

「96点差以上を目指せ」。明大・吉田監督の強気。

 開始1分、SO染山茂範(佐賀工)の先制PGを皮切りに、攻めたのは明大のみ。前半6、後半9の計15トライを奪い、96対0という記録的スコアでライバルを蹴散らしたのだ。先発15人に高校日本代表はともに7人と互角。だが明大はこぼれ球への素早い反応、ディフェンスへの戻りでもピッチを完全に制圧した。

 そして試合後、吉田義人監督は凱旋した選手たちを、予想外の言葉で迎えた。

「この96点差から、絶対にスコアを縮められるな」

 普通、指導者は大勝すると引き締めを強調する。だが吉田監督は、その結果を新たなスタンダードにしろ、もっと上を目指せと呼びかけたのだ。60m独走など2トライで敵地のファンを沈黙させた国定は、「1年チームでの試合は初めてだったけど、ディフェンスの詰めと流しの切り替えとか、レベルが高い。そんなに強いと思ってなかったけど、この明治はだいぶ強い」。栄光を欲しいままにした'90年代の紫紺軍団を思い出させる強気なコメントが速射砲のように飛び出した。

0点に終わった早稲田は“罰練”で雪辱を誓った。

 一方の早大は、試合終了から2時間近く過ぎても、試合ジャージーのまま延々タックルまたタックル……こちらも'90年代さながらの“罰練”の光景が復活。

「例年なら200点ぐらい取られるから、何かと理由をつけて(新人戦を)組まなかったんです。今年の1年は大豊作で、何とか対抗できるかなと思ったけど、これが現実。早稲田はこの差を4年間かけて詰めていかないと」(中竹竜二監督)

 連日熱戦が繰り広げられ、21日に最終戦が行なわれるU20世界選手権も、来年は今の大学1年生が中核世代になる。世界をも見据え、若武者よ翔け!

■関連リンク► 名勝負の陰にライバル在り。~早慶、早明、死闘の裏側~ (2009年5月28日)
► 中竹竜二 「信は力なり」 【青年監督の葛藤】 (2009年2月12日)

関連キーワード
吉田義人
中竹竜二

ページトップ