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ビッグマウス・真鍋の真価が問われる一戦。 

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2005/03/31 00:00

 これも格闘技系の影響だろうか、最近の日本のボクシング界、亀田3兄弟の兄・興毅を筆頭に以前は稀だった“ビッグマウス”が増えてきているように思える。「KOセンセーション」と称して日本S・フェザー級のトップコンテンダーにのし上がってきた真鍋圭太(25歳)もその一人だ。

 4月2日後楽園ホールで日本王者・本望信人(27歳)に挑む一戦は今季チャンピオンカーニバル屈指の人気カードとして注目される。真鍋は前哨戦でKO勝ちしたリング上で大胆にも「本望をKOするところを見たい人は後楽園ホールにきて」と呼びかけた。

 ビッグマウス型は「コメントが面白い」とメディアへの露出も多いが、正統派のファンには「際物」として実力を疑問視されがち。いくら大言壮語しても負けてしまっては商売にならないから、プレッシャーも相当なものだろう。これを克服した一番の成功例はカシアス・クレイ、後のモハメド・アリである。

 キャッチコピー通り真鍋はこれまで20勝18KO1敗1分。天性の強打に加えてボクシング・センスにも優れ、力ずくで倒すのではなくカウンターで倒せる強みもある。いつも(時に試合中も)ニヤニヤ、ヘラヘラと余裕たっぷりの笑顔を見せる。これが相手には小癪と映るが、本人は自らをリラックスさせることでパワーを最大限に引き出せると計算している。

 岡山県倉敷市出身。あの辰吉丈一郎の生家のそばで、辰吉が世界王座に就いた試合を見てボクサーを志す。初めは地元のジムでリングに立ったが、「日本王座22度防衛」のリック吉村とのスパー経験を機に、リックの所属した東京・昭島の石川ジムに移籍した。今乗りに乗るこのホープの、敢えて欠点を探すとすれば「自信過剰」が心配なぐらいか。

 一方の本望はすでに6度の王座防衛を重ねているベテラン。真鍋は「倒して当然」と豪語するが、この本望ほど倒しにくい選手はいないのではないか。防御技術の巧みなボクサー型で、決して真鍋のように華のあるボクシングではないが、乱戦を耐え抜いて最後は勝利を掴むねばり強さもある。燻し銀の味で、選手間の評価は高い。関西で大器と期待された洲鎌栄一に敵地大阪のリングで判定勝ちした一戦も光る。真鍋が持ち前の強打を封じられて洲鎌の二の舞を演じる可能性も大いにあり得るのである。

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