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“爆腕”大月晴明がまた強くなって復活。 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byTakao Masaki

posted2004/10/21 00:00

“爆腕”大月晴明がまた強くなって復活。<Number Web> photograph by Takao Masaki

 6月18日の『全日本ライト級最強決定トーナメント2004決勝戦』で優勝候補にあげられながら、左ヒザ半月板損傷のために欠場を余儀なくされた“爆腕”大月晴明(AJ)が、オランダの強豪ムスタファ・ズィアーニとの一騎討ちで10月17日、半年ぶりに復帰を果たす。

 ドクターの診断は全治3カ月。コンディションの調整を考えたら、復帰は早くても年末といわれていただけに、キックファンにとっては朗報だろう。患部にダメージを残さない筋トレを熱心に続けたことが功を奏した。

 もともと大月は欲のない気分屋。普段から「試合よりも練習の方が好き」といってはばからず、昨年の同トーナメントで優勝した直後には「しばらく休みたい」とビッグマッチのオファーに背を向けてインドまで旅に出かけてしまった。自分がKO率94%を誇る期待の選手である自覚など全くなかったわけだが、ここに来て「毎月でも闘いたい」というほどやる気になっている。その原動力となっているのは、全日本フェザー級王者で弟分の山本元気(REX JAPAN)の活躍だ。

 「元気は同じ京都出身。以前は練習でコテンパンにしていたけど、最近仕返しされるほど力をつけてきた。アイツが頑張るのであれば、俺も頑張らないと」

 もうひとつの原動力は充実した出稽古だ。日本のキック界は団体が乱立しており、組織ごとに日本王者を認定しているのが現状。交流戦が組まれることもあるが、歴史を振り返ってみると長続きした例はない。しかし練習となれば、話は別。大月は積極的にいろいろなジムに顔を出すことで、スパーというレベルでの夢の統一戦を一足先に実現させている。先日取材のアポをとると、場所に指定されたのはプロボクシングの宮田ジム。定期的に同ジムに通う大月は現役ランカーと当たり前のように激しいスパーを繰り広げていた。

 「すでに自分がどんなスタイルなのかは理解している。あとは、どんなタイプに対しても体が反応するようになりたい。出稽古の長所は、様々な防御やカウンターのタイミングを学ぶことができるところ」

 強くなりたいという欲求に対しては人一倍貪欲ながら、驕った部分は微塵もない。16戦16勝(15KO)の発展途上。謙虚な倒し屋はもっともっと強くなる。

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