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1区から外国人を締め出した高校駅伝の事情。 

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藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2007/06/14 00:00

 全国高等学校体育連盟はこのほど全国高校駅伝の大会要項を改定し、最も長い距離となる1区(男子10km、女子6km)には外国人留学生を起用できないことにした。各校のエースが走る花の1区はここ数年、外国人留学生が先頭集団を形成し、日本選手ははるか後方の第2集団で争うのが当たり前になっており、テレビの視聴者などから「1区で勝負がついてしまい、見ていて面白くない」などの声が寄せられていたのは事実だ。だが、外国人を1区からだけ締め出した今回の改定に対しては「これで駅伝本来の競り合いが見られる」「日本の選手もやる気がでるはず」など賛成意見が多かった一方、「留学生だけが走れないというのはおかしい」「駅伝のレベルが下がるのでは」という反対意見も噴出した。

 高校駅伝に留学生の姿が目立つようになったのは'90年代に入ってからで、'93年に仙台育英がケニア人留学生の活躍で初優勝すると、他校も次々と留学生を受け入れるようになった。学校側にとってはテレビの全国中継がある駅伝は野球と同じくらい魅力的だ。手っ取り早く海外から有力選手を連れてきて一番長い区間を走らせれば、全国大会に出ることはそう難しいことではない。野球では、禁止されているはずのスポーツ特待制度を利用して全国から有力選手を集める学校の存在が問題となったが、禁止条項のない駅伝は国内だけではなく海外にまで範囲を広げていた。地元の高校生を育てようとせず、いわば即戦力の外国人留学生をチームの中心に据える姿勢は「学校の宣伝目的」と言われても仕方がないだろう。だが、だからといって特定の区間から外国人留学生だけを締め出すルールを作るのが正しいとも思えない。高体連と学校側がもっと真摯に話し合えば、ルールによる規制ではない、別の解決策もあったのではないか。

 当たり前の話だが、五輪や世界選手権には、外国人選手を走らせないなどというありがたいルールはない。だとすれば、高校時代から世界のレベルを知ることは決してマイナスではないだろう。ルールで規制するのではなく、実力で外国人留学生に勝つ。「そんなことは無理だ」と高体連や各校の指導者が最初から思っているのだとしたら、それほど情けないことはない。

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