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世界陸上マラソン勢は、北京のためにどう戦うか。 

text by

藤山健二

藤山健二Kenji Fujiyama

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posted2007/04/05 00:00

 今夏に大阪で開催される世界陸上の男女マラソン代表が決まった。男子は昨年12月の福岡国際で選考基準をクリアした奥谷亘(SUBARU)を始め、前回銅メダルの尾方剛(中国電力)ら5人。女子も1月の大阪国際で優勝した原裕美子(京セラ)や昨年11月の東京国際で高橋尚子(ファイテン)を破った土佐礼子(三井住友海上)など5人が選ばれた。わずか3枠の五輪とは違い、世界陸上の代表枠は男女各5と多く、今回の選考でも特にもめることはなかった。

 しかし男子は、5人を選ぶのも大変なほどレベルが低く、日本陸連関係者の中には「5人も出す必要があるのか」と異議を唱える者までいた。'91年の東京大会では男子の谷口浩美が金メダル、女子も山下佐知子が銀メダルを獲得したが、果たして今回はどんなドラマを見せてくれるのだろうか。

 外国勢のエントリーがまだ確定していないこの時期に本番を予想するのは難しいが、男子よりも女子の方がメダルに近いことは間違いない。レースは午前7時のスタートとなるが、真夏の大阪は早朝でもかなり蒸し暑い。高温多湿の中でのレースはスピードよりもスタミナ勝負となるから、その意味で一番期待できるのは、粘りが身上の原だろう。'05年の世界選手権(ヘルシンキ)ではスタートから世界記録保持者のラドクリフ(英国)の背後にぴたりとつき、日本人最高の6位に食い込んだ。1月の大阪国際でも積極的に飛ばした渋井陽子(三井住友海上)の後方からプレッシャーをかけ、後半に逆転勝ちした。外国勢は暑さの中でも積極的に飛ばしてくるはずで、スタミナを温存しながら後半勝負に持ち込めれば、原のメダルの可能性は高い。もちろん、粘りが持ち味の土佐も、ベストの状態で臨めればチャンスはある。猛暑のドーハアジア大会で2位に入った嶋原清子(資生堂)も、スローペースの展開になれば面白い存在となりそうだ。

 大阪でメダルを獲って日本人最上位となれば、北京五輪の代表に内定する。そうなれば本番までじっくり調整できるが、もし失敗すれば国内の選考会までの準備期間は短くなり、逆に不利となる。メダルを取らなければ全く意味のない究極のレース。各選手がどんな作戦で臨んでくるのか、今から楽しみだ。

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