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日本選手権の注目は陸上の「松坂世代」。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byShino Seki

posted2007/06/28 00:00

日本選手権の注目は陸上の「松坂世代」。<Number Web> photograph by Shino Seki

 世界陸上大阪大会まであと2カ月。4月のシーズン開幕から、代表選考の対象となる大会が開かれてきた。それも大詰めを迎え、6月29日からは日本選手権が世界陸上と同じ長居陸上競技場で行なわれる。室伏広治の今季国内大会初参戦も興味深いが、とりわけ注目すべきは、1980年度生まれ、陸上界の「松坂世代」の面々である。'03年の世界陸上200mで銅メダルを獲得した末續慎吾を筆頭格に、充実ぶりを示している。

 昨年、昨季世界ランク7位となる6m86の日本新を樹立した走り幅跳びの池田久美子は、日本女子初の7m超えを目指し、走力の向上に取り組んできた。その分、まだ助走を合わせるのに苦労している面はあるが、「それができれば7mは跳べます」と自信を見せる。5月には、国際GP大阪大会で6m73、カタール・スーパーツアーでは6m70で優勝。とくにカタールでは、昨季ランク1位のタチアナ・コトワ(ロシア)らを抑えてのもの。強化は結果にも表れている。

 走り高跳びの醍醐直幸は、国際GP大阪大会で、前回の世界選手権でいえば銀メダルに相当する2m30で優勝。「2m35も跳べると思いました」と手ごたえを口にした。さらには棒高跳びの澤野大地も世界陸上でのメダル獲得を目標に据える。

 '80年組が、世界を視野に入れるところまで成長してきた理由は2つある。

 日本陸上界は、マラソンを除き、長い間、世界の壁にはね返されてきた。事実、世界陸上でも、日本選手が初めてメダルを獲得した'91年の東京大会以後、'97年の千葉真子(1万mで銅メダル)を除けば、'99年までメダルはマラソンであった。

 その壁を破ったのは、'01年、ハンマー投げの室伏広治の銀メダルと400mハードルの為末大の銅メダルだった。それは当時学生だった'80年組に、大きな刺激を与えた。それと前後するように、海外遠征が強化の手段として盛んになった。学生時代にこうした環境にあった彼らは、当たり前のように海外へ乗り出していった。彼らにとって、世界の壁は越えられないものという意識はなかったのである。

 今、20代半ばをすぎ円熟期を迎えた彼らには、室伏、為末に続き、世界と堂々と渡り合う姿を見せてほしい。世界陸上に確信をもって臨むためにも、日本選手権での好記録が期待される。

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