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松山英樹がオーガスタで
見せた「200%の自分」。
~ベストアマ受賞の裏側~ 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2011/04/25 06:00

松山英樹がオーガスタで見せた「200%の自分」。~ベストアマ受賞の裏側~<Number Web> photograph by Taku Miyamoto

予選を通過したアマは松山だけ。1992年生まれ、19歳での快挙だった

 10日に閉幕した今年のマスターズは、日本のファンにとって松山英樹(東北福祉大)の名前とともに記憶される大会になったのではないだろうか。

 日本人アマチュアとして初出場した松山は、予選突破を果たした上、27位でベストアマにも輝いた。その活躍ぶりは、予選落ちした池田勇太や藤田寛之といった他の日本人プロはもちろん、メジャー自己最高位の20位に入った同学年の石川遼をも遥かに凌ぐ鮮烈な印象を残した。

 マスターズのベストアマは、ジャック・ニクラウス('60年)、フィル・ミケルソン('91年)、タイガー・ウッズ('95年)ら、そうそうたる面々が獲得してきたタイトルだ。その系譜に名を連ねただけでなく、最終日には優勝者と並んで表彰を受けた。世界が見つめるグリーンジャケット・セレモニーの場に日本人選手がいる光景は、身震いがする思いだった。

どこか天然な雰囲気を漂わせたままプロ顔負けのプレーを見せる。

「遼くんは遼くんでいいんですけど、松山くんも素人っぽくて面白い映像が撮れるんですよ」

 そんなことを言っていたのはテレビ局の関係者である。どこか天然な雰囲気を漂わせたままプロ顔負けのプレーを見せるのは、3位に入った昨年の日本オープンも同じだった。キャディーもその時と同じチームメイトの岡部大将。岡部には「オーバーパーだったら、1打につき嫌いなトマトを1個食べさせる」と脅されたりしながら、無欲ゆえにボギーを叩いても笑い合う余裕があった。

 けれんみのないショットでコースに立ち向かい、3日目の16番パー3ではあと少しでホールインワンという素晴らしい一打も見せた。普段着のゴルフを貫いて、この日のスコアは68。オーガスタを60台で回った9人目の日本人となった。

 昨年10月にアジア・アマ選手権で出場権を得て以来、日本でも米国でもツアーは調整の場と割り切って本番に照準を合わせてきた。それがうまくハマった上に、コースの状態も味方してくれた。カットラインの通算1オーバーは75回目を迎えたマスターズの最少タイスコア。前週降り続いた雨などでグリーンは比較的止まりやすく、風も強くは吹かなかった。メジャーとしては比較的易しいコンディションだったことで、どうしても技術で劣るアマチュアでも自分の攻めを貫くことができた。

【次ページ】 激励メールなどを印刷した分厚いファイルを米国に持参。

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