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21歳、マキロイの快進撃を
阻んだマスターズの壁。 

text by

三田村昌鳳

三田村昌鳳Shoho Mitamura

PROFILE

photograph byTaku Miyamoto

posted2011/04/21 06:00

マキロイは3日目まで首位をキープするも、最終日にワーストスコアの80を叩き、15位に

マキロイは3日目まで首位をキープするも、最終日にワーストスコアの80を叩き、15位に

 今年のマスターズもまた、終盤に波乱が待っていた。3日目を終え、21歳のローリー・マキロイが2位グループに4打差をつける12アンダー。最終日が始まる前までは、この北アイルランドの若手を軸に優勝争いが繰り広げられると、誰もが考えていただろう。

 ところが、まずタイガー・ウッズが前半から猛チャージをかけ、アウトで31というハイスコアをマーク。マキロイとの7打差は、いつの間にかなくなっていた。そればかりか、マキロイが残り9ホールにさしかかった時、1打差の10アンダーに4、5人がひしめいていた。

 そして、マキロイ自身も「何が起きたのか解らなかった」という10番での大乱調。左に引っ掛けた第1打が木に当たり、大きく跳ねて、左サイドにあるキャビン(コテージ)の間に落ちた。大きくプランを狂わされたマキロイは、結局このホールでトリプルボギーを叩き、一気に8アンダーまでスコアを下げてしまう。

'96年大会、6打差をひっくり返されて敗れたノーマンの言葉。

 ふと浮かんだのは、ニック・ファルドに6打差をひっくり返された'96年大会のグレッグ・ノーマンの姿だった。

 案の定、マキロイは、もう修正が利かなくなっていた。続く11番でボギー、12番ではダブルボギーを叩いて自滅。優勝したシュワーツェルと10打差の4アンダーで最終日を終えた。

 思えば彼は昨年の全英オープン初日にも63という驚異のスコアを出したが、粗さが目立った。今回は、少なくとも3日目までは確かな進歩を感じたのだが……。

 マキロイは失意の中で「確かに失望したけれど、63ホールまでは完璧だった。優勝するために何度もこういう経験が必要だと思うしかない」と語っている。

 これに似た言葉をどこかで聞いたことがある。そう、ジャック・ニクラスだ。

「どうやったら敗者になったかを学び取ったことのない勝者を、私はいまだかつて見たことがない」

 また、'96年大会に敗れたノーマンは「これで世界が終わったわけではない。それに、人生の敗者ではない。僕は、もっと勝利を味わいたいし……ただ、今日は勝てなかっただけさ」と言った。

 マキロイに希望があるのは、当時のノーマンよりも20歳若いことだ。彼は、今回の敗戦を越えて、これから世界をリードする若者になるに違いない。

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