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吉田義人の熱意実る。名門・横河がTL昇格へ。 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byNobuhiko Otomo

posted2008/01/17 00:00

吉田義人の熱意実る。名門・横河がTL昇格へ。<Number Web> photograph by Nobuhiko Otomo

 北風が吹き付けるスタンドに、けたたましいチアスティックの音が響いた。12月24日、クリスマスイブの秩父宮。ノーサイドと同時に芝の上で抱き合い、雄叫びをあげていたのは横河電機のフィフティーンだ。横河はこの日、NTTコミュニケーションズとの対決に29対18で完勝。トップリーグ(TL)の下に位置するトップイースト11で初優勝を決めたのだ。TLに自動昇格するにはウェスト、九州の各1位とのトップチャレンジで2位以内に入る必要があるが、九州はこの3年間で上位が相次いで昇格を果たし強豪不在の状況にあり、イースト1位がTLに昇格する可能性は極めて高い。選手も関係者も喜びを爆発させていたのは、それを知っていたからだ。

 創部は1946年。全国社会人大会出場は12回。'88年の東日本社会人リーグ創設にも加わった名門は、'90年に同リーグから陥落して以降は低迷を続けていた。そんな横河が桧舞台に戻る契機を作ったのは、'04年にコーチとして加わった吉田義人だった。フランスで地域密着型クラブのコロミエに在籍した経験から、スポーツを通じた地域貢献を会社に提案。ラグビーは'05年から正式に会社のフラッグシップ・スポーツに指定され、選手の採用枠が拡大、土埃の舞っていたグラウンドも人工芝化された。ディフェンシブな視点でマネジメントを担当する安田真人監督、オフェンシブに現場を束ねる吉田コーチのもと、イーストで'04年の8位から6位→4位と上昇。NTT戦では今季加入した元豪州代表NO8サモが2トライ、昨季三洋電機から移籍したHO佐藤明善がパスとキックで2トライをアシストするなど、新戦力が暴れ回った。

 「グラウンドは地域の方々にも使って頂けるし、防災拠点の機能もあります。それに、我々は産業用機械のメーカーですが、学生を採用するにも、親御さんが知らない会社だと来てもらえない(笑)。スポーツなら社名を世の中にアピールできて、地域にも貢献できます」と海堀周造社長。30人いる執行役員には元日本代表コーチの笹田学氏、元慶大監督の松本澄秀氏らラグビー部OBが5人並び、経営陣の楕円球濃度も高い。

 紺と水色の市松模様で知られる伝統のジャージーがTL昇格に挑むチャレンジシリーズは、1月27日に開幕する。

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