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結婚を告白した新王者
棚橋弘至への期待。 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

posted2007/11/01 00:00

 「実は結婚しておりました。嫁さんがいます。守るべき子供もいます」

 ヒーローの一夜明け会見はいろいろあるが、10・8両国国技館で永田裕志(39)からIWGPベルトを奪った新王者、棚橋弘至(30)の席ほど愉快だったのはない。

 突然の“出来ちゃった婚”とは違い、棚橋の結婚は既成の事実。関係者や担当の一部記者は知っていたし、いつ公表するのか、ハラハラしながら見守っていたのが本当のところだ。

 筆者も面食らったことがあった。8月のG1開幕前、右ヒザ半月板損傷の手術に成功した棚橋に復帰インタビューをしようと世田谷区上野毛の道場に行ったとき、棚橋が子連れで現れたのだ。それを見て、「オイ、タナ、これは……」。出かかった言葉を噛み殺したものだ。

 夫人はベルトを奪回した10・8その日に31歳となった。ドラマチックな誕生日をプレゼントしたわけだ。結婚入籍は'03年5月6日で、長女が3歳、長男は2歳になる。

 「嫁さんと子供の名前だけは勘弁して下さい」。こう懇願する、ネクタイにスーツ姿の棚橋は、両国の雄叫びの勇姿とはうって変わってハンカチを手にしどろもどろなのだ。

 棚橋について話すとき、'02年11月、交際していた女性にナイフで背中を刺されたスキャンダルは避けられない。王座返り咲きを機に、スネに傷持つ男なりの“ケジメ”をつけたのだろう。ニューリーダーとしての自覚の表れと受け取った。胸のつかえも取れたことだし、思い切り暴れてほしい。

 新日本は、米TNAとの対抗戦をメーンに、来春1月4日の東京ドーム開催を発表した。4月に就任した菅林直樹新社長(43)の、初の大仕事だ。

 「ドームというのは我々の思いがいっぱい詰まっている興行。棚橋を軸に中邑、後藤ら若い世代の活躍に期待しています」と語る。

 左肩鎖関節脱臼で欠場していた棚橋の最大のライバル、中邑真輔(27)は11月に復帰。10・8両国で実力者・天山広吉を破ったヒールに転向の後藤洋央紀(28)も侮り難い。11・11両国での、棚橋と後藤の初防衛戦も控える。若い3強のトップ争いが面白くなってきた。新日本の未来は、ケジメをつけた棚橋に託されている。

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